
ライフサイエンス
蚕糸は大変性能の良い繊維として従来より重用され,最近は医療材料としても注目されています。 その蚕糸を作る蚕は生きた繊維工場に例えられますが,化学繊維の生産工程における“紡糸孔”に相当する器官が“吐糸管”で,特にその機能や形状の解析が従来より多くなされてきました。その3次元形状を見る手法としては,現状では光学顕微鏡における解剖切片の観察が主でありますが,この方法では精密な解像度(~1μm)が得られるものの相当な労力を要します。 そこで今回はX線CTシステムを用い蚕頭部を拡大撮影することにより,吐糸管形状の三次元構造観察を行ったものを紹介いたします。今回の観察には焦点サイズ5μmの島津マイクロフォーカスX線CTシステムSMX-100CT形を使用しました。
2008.01.27