
電気・電子
近年、多くの業界で X 線非破壊検査の為に工業用 CT 装置を使用するケースが増えてきました。特に電子デバイスの分野では CT 装置による、スライス画像や立体画像から得られる透視ポイントの詳細な断面情報は、より高度な解析に欠かす事のできないものとなっています。従来形の CT 装置では、CT 画像を撮るために試料を X 線管球の近傍で 360 度回転させる必要があります。したがって面積が大きい実装基板のような試料では、撮像対象部分を管球近くに置くことができず十分な拡大率が得られないことがあります。また、X 線透過方向の距離が極端に増すと X線の透過力が不足する問題も出て来ます。 しかし、試料回転軸に対して、X 線検出器を傾ける傾斜形 CT の出現により、拡大率・透過力の不足を解消する事ができるようになりました。今回、「島津マイクロフォーカス X 線傾斜形 CT 装置」(SMX-160-GT‐PCT)を使用してパワーモジュール(幅 60mm、奥行 40mm、厚さ 5mm)の各層間に発生したハンダ部ボイド群を撮影した結果を紹介いたします。
2021.03.28