
石油化学
繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics, FRP)は,プラスチックにガラス繊維などを混ぜ強度を向上させた複合材料で,ガラス繊維を使用したものを GFRP(Glass FiberReinforced Plastics)と呼びます。 GFRP は,バイク・自動車をはじめとする輸送機関連分野,また住宅設備機器などでも広く用いられています。GFRP を用いて部品を製造する方法の中のひとつに,射出成型があります。射出成型の場合,樹脂の流れの影響を受けて内部繊維の配向が変わります。この繊維の配向状態と機械的物性,また反りなどの成型不良には相関があるため,内部繊維の配向状態を観察することが非常に重要となってきています。従来は,繊維配向状態を観察するためにサンプルを裁断(切削)し,断面を観察・撮影することが一般的ですが,この方法では評価に手間がかかるうえ,三次元状態を正確に把握することが難しいという問題がありました。 ここでは,X 線 CT システムを使用して GFRP を撮像したCT データ,さらに CT データを用いた繊維配向解析ソフトウェアでの解析結果をご紹介します。
2012.10.03