
DSC-60 Plusシリーズ
ある種の合金に特別な熱処理を施した後、常温で変形しても、加熱によって元の形に戻る。このような性質を持つ合金を形状記憶合金と呼びます。形状記憶効果はマルテンサイト変態に起因します。高温から冷していくと Ms 点と呼ばれる変態点で変態が始まり、マルテンサイトと呼ばれる領域が発生しはじめます。さらに温度を下げていき Mf 点と呼ばれる温度で合金全体がマルテンサイトになり変態が完了します。また全体がマルテンサイトとなった合金を加熱すると As 点と呼ばれる温度で母相への逆変態が始まり、Af 点と呼ばれる温度で合金全体が母相になります。 形状記憶合金は、コネクターの締め付けピンやパイプの継手などへの利用が進んでいるほか、ロボット、医療用材料、宇宙、集積回路などの組み立て作業への応用が有望視されています。 形状記憶合金の物性研究や材料開発のためには、合金組成や不純物の存在に敏感な、Ms,Mf,As,Af の各変態点を測定することが不可欠です。これはDSC-60で測定することが出来ます。その他TA―60WS,FC―40Aが必要です。 ここではTi―Ni合金の冷却過程、加熱過程のDSCデータを示しました。
2002.02.03
一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。