DSC-60 Plusシリーズ
示差走査熱量計DSC-60 Plus を用いた高分子の熱履歴の推定
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はじめに
プラスチックの物性は、成形時の温度や冷却条件、材料のリサイクルや使用環境温度などの熱履歴に大きな影響を受けます。熱履歴とは、材料が受けた温度変化の履歴のことです。プラスチック製品の不具合をなくし、品質を安定させるためには、熱履歴を管理することが非常に重要です。もし、製品に不具合が生じた時、どういった熱環境にさらされたのかが分かれば、不具合改良の有益な情報になります。この熱履歴の有無は、示差走査熱量計(DSC)を用いて調べることが可能です。 結晶性高分子において、主要な融解による吸熱ピークより低温側に、試料が受けた熱処理温度付近で吸熱ピークが出現することがあります。しかし、DSC 曲線において、吸熱ピークではなく微小な変曲点として現れると、見つけ出すことは困難です。この場合、DSC 微分曲線が有効であることが報告されています。今回、熱処理により出現した吸熱ピークのDSC 微分曲線の立ち上がり温度とピークトップ温度より、熱処理温度と熱処理時間を推定する手法 1)を用いて、高密度ポリエチレンでの熱処理温度と熱処理時間の関係を求めた事例をご紹介します。
2021.07.30
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