
RF-6000
溶液中でラクタム - ラクチム互変異性平衡を示す蛍光性のπ電子骨格であるキノキサリン誘導体に着目した新規な蛍光分子材料の開発が行われています。多様な有機溶媒への溶解性の向上のためにキノキサリン骨格にアルキルアミド基を導入した分子 1 は,ラクタム構造の窒素原子(=N)とアミド基のカルボニル酸素原子(=O)による Li+ カチオンへの配位から平面配位構造を形成します。一方,分子 1 では,Fアニオンに対してラクタム構造の N-H プロトンによる N-H•••F水素結合を介した F認識の後,N-H プロトンの脱プロトン化によるアニオン 1-の発生を伴う二段階の Fアニオン認識機構が存在しました。異なる分子サイトで,アニオンとカチオンの両者が認識可能な蛍光性分子は,イオン認識の履歴に依存した蛍光応答挙動を実現できることから,次世代の分子素子への展開が期待されています。
2017.03.12
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