超音波周波数における金属板の曲げ疲労試験の観察

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はじめに

疲労破壊とは,繰り返し負荷により起こる破壊のことであり,これは静的な破壊強度よりはるかに小さい力でも起こります。また,疲労破壊は突然,一気に起こるため,過去には船舶や航空機の重大な事故につながった例もあります。そのため,材料の疲労特性を把握することは重要なことであるといえます。しかし,疲労特性を求めるためには多くの試験時間が必要になります。JIS Z2273 金属材料の疲れ試験方法通則によると,繰り返し数 107 まで試験を行うことが求められていますが,107 まで試験を行おうとすると 10 Hz で約 12日かかります。また,近年では,機器の効率化や高速化によって 107 以上の疲労特性が要求されるようになっています。そこで,20 kHz で疲労試験が可能な超音波疲労試験機が用いられています。しかし,非常に振動が速いため,試験片の動きや変形を目視で確認することができません。そこで,高速度ビデオカメラを使用して,20 kHz の曲げ疲労試験における金属板の動きを観察しました。従来は変位計を少しずつ移動させて試験片全体の動きを把握していましたが,高速度ビデオカメラを用いることで,1 回の観察で試験片の動きの確認が可能になります。また,撮影画像から試験片の移動量を求めました。

2021.07.30

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