
石油化学
ゴム材料は伸縮性,弾力性などの特徴的な機械的性質を有しており,防振・緩衝目的を中心として様々な工業部品や生活用品に幅広く使われ大変身近な素材となっています。ゴム材料の大半を占める合成ゴムについても用途に合わせ多種多様な特徴を持つものが開発されています。そのため,ゴム材料の機械的性質を評価することが非常に重要となっています。 評価すべき機械的性質の一つとしてクリープ特性が挙げられます。クリープとは一定の負荷を加えつづけると徐々に変形が進んでいく現象であり,長期間使用する工業部品ではクリープが不具合の原因となるケースも見られます。このように,ゴム材料の使用用途から使用寿命の推定や適格な材質の選定のため,開発設計段階でゴム材料のクリープ特性を把握することが求められます。 今回は耐候性/耐油性/耐熱性に優れ代表的な合成ゴムとして最も広く使用されているクロロプレンゴムの引張試験を行い,クリープ特性を評価した例をご紹介します。 本試験はJIS K 6273 (加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張永久ひずみ,伸び率及びクリープ率の求め方)を参考に実施し,島津精密試験機オートグラフAGXTM-V形を使用しました。本装置では従来機より試験力ホールドの性能が向上しており,クリープ試験にも適しています。
2019.11.11