
Hyper Vision HPV-X2
レーザーアブレーションとは,固体の表面にレーザー光を照射し,その照射強度がある閾値以上であるとき,プラズマの発生とともに固体表面の物質が放出される現象のことをいいます。レーザーアブレーションは加工,医療,材料作製など,多くの分野で利用されています。例えば,加工に関しては,Q スイッチ YAG レーザーによる電子部品の加工やエキシマレーザによるプラスチックやセラミクスの微細加工があげられます。医療分野に関しては,ArF レーザーを用いた角膜の屈折矯正手術があります。材料作製に関しては,薄膜作製装置に利用されています。特にレーザーアブレーションによる薄膜作製は,大量生産には向いていないものの,ターゲット(固体表面)と同じ組成比の薄膜を容易に作れる点や膜厚の変更が容易である点から広く利用されています。アブレーションによって放出される物質(プルーム)を観察し,レーザーアブレーションプルームの挙動を解明することは,成膜条件の最適化や薄膜開発につながります。そのため,高速度ビデオカメラによるアブレーションプルームの観察は重要であると考えられます。今回は,高速度ビデオカメラ HPV-X2を用いて,AZO(透明電極材)をターゲットにレーザーアブレーションプルームを観察しました。
2021.07.30
一部の製品は新しいモデルにアップデートされている場合があります。