
石油化学
自動車は我々の生活の一部として欠かせないものとなっていますが、近年、燃費向上や CO2削減などを目的とした車体軽量化のために、炭素繊維強化プラスチックやハイテン材等の様々な材料の適用が検討され、実用化されています。 しかし、部材ごとに求められる材料特性は異なっており、特にドア、フードなどの外板では走行中に跳ねた小石などの衝突による凹みに対する抵抗(耐デント特性)が高い材料が求められます。耐デント特性を高くするには炭素や窒素の含有量を増やし、降伏強度を上げることが有効ですが、プレス加工が難しくなり、面ひずみといわれる成形不良が増えます。一方、成形性を上げ高い面精度を確保するためには、やわらかく降伏強度の低い材料が求められます。 このような相反する要求を満足するため、焼付硬化鋼板(BH 鋼板)が使用されます。BH 鋼板は加工時にはやわらかく高い成形性を持ち、その後の塗装した時の熱による乾燥(焼付)の際に硬化するという鋼板です。 本稿では、JIS G3135 附属書 A に準拠した試験を行い、SPCC、SPFC590、SPFC1180 の塗装焼付硬化量(BH 量)を求める試験を行った例を紹介します。
2019.06.01