
オートグラフAGS-Xシリーズ
セルロースは植物の主成分で、地球上で最も多く存在する炭水化物であり、古くから紙や綿繊維等の原料として利用されてきました。近年、セルロースをナノレベルまで解繊することで、機能性を向上させたセルロースナノファイバー(以下、CNF)が注目されています。CNF は植物由来の材料であるため環境負荷が低く、低線膨張性、ガスバリア性、透明性などの機能を持っています。また、鉄鋼の 1/5 の軽さで 5~8 倍の強度と高い比強度を示します。そのため、熱可塑性樹脂に CNF を添加することで、高強度かつ軽量な複合材料を開発する研究が進められており、様々な分野での応用が期待されています。自動車分野もそのひとつで、最終的には軽量化による燃費の向上が期待されています。しかし、自動車での使用状況を考慮すると、静的な力学特性だけでなく、衝撃特性、疲労特性、温度特性なども明らかにする必要があります。 本稿では、精密万能試験機および高速衝撃試験機を使用して、様々な試験速度(ひずみ速度)における CNF 強化樹脂の引張強さを評価しました。また、電子線マイクロアナライザを使用して、試験後の試験片の破面観察を実施しました。
2020.03.22
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