セルロースナノファイバー強化樹脂の3 点曲げ試験

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はじめに

発泡プラスチックは内部に多数の空伱を含むことから、軽量かつ断熱性、緩衝性に優れています。一方で、単位体積あたりの樹脂の体積が減少するため未発泡の材料に比べて低い強度を示します。軽量性や断熱性を付加しつつ十分な強度を得る手法の1つに、繊維などの強化材を入れる方法があります。繊維の種類として、ガラス繊維、炭素繊維がよく使用されますが、昨今では生物由来の高機能新素材としてセルロースナノファイバー(以下、CNF)を利用する研究開発が進められています。 セルロースは植物の細胞壁及び綿花などの主成分で、地球上で最も多く存在する炭水化物であり、古くから紙や綿繊維の原料として利用されてきました。近年、セルロースをナノレベルまで解繊し、機能性を向上させた CNF が注目されています。CNF は植物由来の材料であるため環境負荷が低く、低線膨張性、ガスバリア性、透明性などの機能を持っています。また、鉄鋼と比較し 1/5 の軽さで 5 倍の強度と高い比強度を有し、樹脂やゴムと複合することで従来材料以上の強度を実現できることから、炭素繊維に続く新素材として関心を集めています。 本稿では樹脂の強度評価として一般的に行われている JISK 7171 に準拠した試験速度、たわみ測定装置を用いて 3 点曲げ試験を行い、CNF の有無及び発泡の有無による曲げ強さの違いを比較しました。

2018.09.28

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