1塩基の変異を迅速かつ簡便に検出する方法

MultiNA™を活用したゲノム編集の検出法“PRIMA”

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はじめに

ゲノム編集における変異導入個体の多検体スクリーニングにおいてHMA(Heteroduplex Mobility Assay:ヘテロ2本鎖移動度解析)法は非常に効率的です。しかしながら、HMA法ではDNAの1塩基の挿入・欠失配列を判別することは困難でした。 PRIMA(Probe-induced Heteroduplex Mobility Assay、プリマ)法は5塩基の欠失を持つ40塩基の1本鎖DNAを共泳動プローブとして用いることにより1塩基差の判別を可能としました。 従来は変異導入した個体のF2個体の遺伝子型判別には2回の解析が必要でした。これに対して、PRIMA法では1回の解析で野生ホモ型、ヘテロ接合型、変異ホモ型を判別することができます。 また、ヘテロ2本鎖構造は1塩基多型でも変わりうることからPRIMA法をさらに広い用途に応用できる可能性があります。変異部位に1塩基多型(A/T/G/C)をもつ配列をそれぞれ用意し、PRIMA法によって検出を行ったところ、PAGE(Poly Acrylamide Gel Electrophoresis)では判別困難でしたが、マイクロチップ電気泳動装置 MultiNAでは固有のピークを得ることができ、PRIMA法が1塩基多型を区別できる可能性があることが示されました。

2022.08.10