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はじめに

公衆浴場で使用される水である原湯や原水、浴槽水には水質基準や検査方法が定められています。有機物量についてはこれまで過マンガン酸カリウム消費量で評価されてきましたが、公衆浴場における衛生等管理要領が改正され、全有機炭素(TOC)の量で評価する方法が追加されました(令和元年9月19日生食発0919第8号厚生労働省通知)。これにより、有機物量はTOCあるいは過マンガン酸カリウム消費量のどちらの方法でも測定できるようになりました。 過マンガン酸カリウム消費量試験には試薬の調製、煮沸、滴定など多くの手作業が必要で、作業者の時間が占有されてしまいます。これに対しTOCは機器測定で、作業者によらず安定した結果を得られます。サンプラを使えば多検体の連続分析も可能で、夜間にサンプラを稼働させるなどすれば、ラボの作業効率を高めることができます。 また、原湯や浴槽水には温泉水が使用される場合、源泉由来の塩化物や硫酸塩、アルカリ塩が含まれることがあります。過マンガン酸カリウム消費量試験では、有機物以外の被酸化性物質が含まれていると測定値が影響を受ける場合がありますが、TOCは共存物質の影響を受けることなく測定することができます。 今回は浴場水として使用される温泉水や入浴剤を入れた水に含まれる有機物評価を島津燃焼式TOC計で実施した例を紹介します。

2019.12.23

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