医薬品製造分野向けシステム (TOC-LCPH/CSH,TOC-VWP/WS)
尿素水のTN 測定
はじめに
これまでは大型トラックや大型バスを中心にディーゼルエンジンが利用されてきましたが、その技術は大幅に進歩し乗用車にも多く搭載されています。ディーゼルエンジンには、燃費(燃焼効率)が良い、二酸化炭素の排出量が少ない、耐久性に優れている、という長所があります。一方、騒音・振動がある、黒煙や粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)が発生しやすい、といった短所もあります。ディーゼルエンジンの排出ガスに含まれる粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)は大気汚染の原因とされており、これらの有害物質を大気中に出さないように技術開発が進められています。 尿素 SCR(Selective Catalytic Reduction)システムは窒素酸化物(NOx)を窒素と水に分解し大気汚染を低減します。このシステムでは発生した NOx を効率よく分解するため最適な濃度に調整された尿素水を使用しますが、この濃度が低いと NOx を十分に分解しきれないことがあります。また濃度が高いと有害なアンモニアを外部に排出してしまうことがあります。 島津燃焼式全有機体炭素計 TOC-L(ラボ用)、TOC-4200(オンライン用)は全窒素(TN)測定オプションを付加することで、簡単に TN を測定することができます。一般的な窒素測定の方法の一つであるケルダール法の場合、酸やアルカリなどの複数の試薬を使用し、分解や蒸留などの操作に数時間かかります。しかしこれらの TN 測定オプションは熱分解-化学発光方式で測定しますので、試薬は使用せず、1回の測定時間は 5 分程度と迅速に測定結果を得ることができます。 今回は TOC-L と全窒素測定ユニット TNM-L のシステムを使用して、一定濃度に調製した尿素水を測定した例を紹介します。
2018.01.29
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