水質管理目標設定項目15農薬類のLC-MSによる一斉分析(別添方法16,17)

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はじめに

厚生労働省は平成15年10月10日付けで「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正などについて」(健水発第1010001号)を公示しました。これには水質管理目標設定項目の検査方法が示されています。水質管理目標設定項目15農薬類として101種の農薬が設定されていますが,LC-MS法が採用されている分析法は別添方法16から19の4法で,別添方法16のみ27成分(分解生成物を入れ28成分)一斉分析,17はアセフェート,18はホセチル,19はポリカーバメートの個別分析となっています。農薬類分析結果は総農薬方式を採用している関係から,原則として目標値の1/100濃度の測定が必要となります。また,分析するにあたり,別添方法16は逆相系樹脂固相カラム,別添方法17は活性炭固相カラムによる500倍濃縮を行うよう記載されていますが,アセフェートは別添方法16に示された28成分と同一のLC-MS条件で検出されるため,ここではジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体固相カラムと活性炭固相カラムを連結して前処理濃縮を行った農薬29成分のLC-MS一斉分析結果を紹介します。 今回は,検水としてイオン交換水(milli-Q Gradient),河川水,水道水を使用し,各々の農薬について目標値の1/100濃度になるように添加し,添加回収率を求めました。Table1に,今回の測定に使用したイオン化モード,農薬番号,農薬名,モニターイオン(m/z ),水質管理目標値(mg/L)を示します。

2008.03.17