黄連に含まれるアルカロイドの定性分析
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はじめに
黄連は苦味健胃薬として古くから用いられ,現在でも胃腸薬に配合されている生薬です。その活性本体であるベルベリンなどのイソキノリンアルカロイドはODSカラムを用いたHPLCで分析可能です。第13改正日本薬局方にもベルベリンの定量試験の方法が記載されています。しかし,各ピークを同定する根拠は保持時間であるため,ベルベリン,コプチシン,パルマチンなどの標準品を用いて確認する必要があります。さらに各成分は類似した吸収スペクトルを示すことから,慎重に定性しなければなりません。ここでは,保持時間に加えて,マススペクトルが得られるLC-MSにより黄連末中のアルカロイドを同定した例を紹介します。
2001.01.16