ラン藻産生有毒ペプチド・ミクロシスチン類のLC-MS分析
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はじめに
河川や湖沼など水源地に発生する“アオコ”は,野生動物の大量死の原因として,また飲料水の水質に影響を与えることなどから,しばしばマスコミなどで社会問題として取り上げられています。浮遊性の藻類が水面に群生している様子が,“青い粉”をちりばめたように見えることからアオコと呼ばれていますが,厳密には植物プランクトンであるシアノバクテリア(ラン藻)の異常増殖した状態を指します。アオコは悪臭を発し景観を損ねるばかりでなく,アナトキシンやサキシトキシンなどの神経毒やミクロシスチン,ノジュラリンなどの肝臓毒を生産することが知られています。 日本では主にミクロシスチンを生産するシアノバクテリアが各地で確認されていることや,ミクロシスチンはプロテインフォスファターゼを阻害する強力な発ガンプロモータであることから,飲料水中ミクロシスチンのモニタリングやミクロシスチン類の代謝や動態解明のために,機器分析によるモニタリングの必要性が高くなっています。 ここでは,エレクトロスプレーLC-MSによるミクロシスチン類分析ついて紹介します。
2000.01.19