環境
トリプル四重極型LC/MS/MS を用いた水道水中の過塩素酸分析
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はじめに
過塩素酸塩は、鉱物などに含まれ、また大気中においても光化学反応により生成することが知られており、自然界にも存在します。水溶性が高く水中において解離した過塩素酸イオンとして安定して存在し、汚染された飲料水などから、ヒトが多量に摂取した場合には、甲状腺機能の低下などを引き起こす可能性があり、健康への影響が懸念されています。 また過塩素酸は、水道原水の浄水処理により除去が難しいため、日本国内においては、平成 21 年に水質基準関連項目である要検討項目として過塩素酸が追加され、平成 23 年には水質管理の目標値として 0.025 mg/L が設定されています。平成 30 年現在、米国環境保護庁では過塩素酸分析方法として Method 331 に LC/ESI/MS 法が示されていますが、日本において過塩素酸の分析方法は、まだ示されていません。 既に弊社アプリケーションニュース No. C85「ノンサプレッサ方式 IC-LC/MS による過塩素酸の分析」にて、シングルLC/MS を用いた過塩素酸の分析例を紹介していますが、今回はトリプル四重極型LC/MS/MSであるLCMSTM-8050を用い、水道水中の過塩素酸を高感度分析した例を紹介すると共に、逆相条件による分析例も併せて紹介いたします。
2021.10.25