MALDI-8020
卓上型MALDI-TOF MS を用いたIn-Source Decay によるタンパク質の配列解析
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はじめに
MALDI-TOF 質量分析計は、タンパク質の分子量測定や同定に盛んに用いられています。タンパク質の同定を質量分析計で行うためには、通常、前処理としてトリプシン消化を行う必要がありますが、単離精製されたタンパク質であれば、イオン源内におけるフラグメンテーション(ISD, In-SourceDecay)により生じたイオンを検出することにより、トリプシン消化を行うことなく、インタクトのタンパク質の配列解析を行うことが可能です。 MALDI によるタンパク質の分子量測定を行うには通常シナピン酸という試薬(マトリックス)を用いますが、ISD による配列解析を行う場合には、1,5-diaminonaphtalene(DAN)をマトリックスとして使用します。ISD により生じたフラグメントイオンを Mascot 等のデータベース検索にかけることにより、タンパク質同定を行うことができます。また、フラグメントイオンの質量に基づき取得したアミノ酸配列情報をホモロジー検索することによって、データベース検索ではヒットしないタンパク質の推定を行うことも可能です。 本アプリケーションニュースでは、卓上型 MALDI-TOF 質量分析計 MALDI-8020 を用いて、タンパク質の分子量測定とISD による配列解析を行った例を紹介します。
2017.08.21
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