LCMS-8060NX
トリプル四重極質量分析計LCMS™-8060NXを用いた唾液中親水性代謝物のメタボローム解析
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はじめに
ヒト口腔には、およそ 700 種、90 億もの細菌が生息し、腸内細菌と同様に、短鎖脂肪酸を生産します。口腔細菌が生産する短鎖脂肪酸は、歯周組織への為害作用を及ぼしたり、口腔環境維持に寄与していることが明らかになりつつあります。例えば、歯周病の主要原因菌である口腔嫌気性グラム陰性菌は、大量の短鎖脂肪酸(特に酪酸)を生産します。近年、生体中の代謝物を網羅的に分析するメタボローム解析という技術に注目が集まっています。メタボローム解析とは、細胞の活動によって生じるアミノ酸や有機酸などの低分子の代謝物を網羅的に分析し複数の試料群における差異を明らかにする学術分野であり、他のオミクス解析と比較して対象成分が少ないことから網羅的分析を行いやすいとされています。 本報告では、高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)による唾液のメタボローム解析を行った事例をご紹介いたします。唾液には口腔細菌が生産した代謝物とともに口腔細菌も存在することが知られています。そのため、分析までの唾液の保管状態によっては、口腔細菌のはたらきで唾液に含まれる代謝物の量が変化すると考えられます。そこで、メタボローム解析を用いて保管温度が唾液に含まれる代謝物へ与える影響を調べました。
2020.10.19
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