質量分析を用いた糖鎖分析のための新しい誘導体化ツール:SialoCapper-ID Kit

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ユーザーベネフィット

- 標品糖鎖と比較することなく、MS分析のみからシアル酸の結合様式を判別でき、実験の省力化に貢献します。 - シアリル糖鎖の感度が向上するため、微量サンプルも解析しやすくなり、サンプルを無駄にしません。 - 従来の糖鎖分析手法と親和性が高く、既存の実験系に柔軟に組み込むことができます。

はじめに

糖鎖は第三の生命鎖とも呼ばれ、生体内に様々な形で存在しています。タンパク質に対する糖鎖修飾は、ウイルス感染やがんなどの疾病に加え、ホルモンやバイオ医薬品の活性とも深い関わりを持っています。生体現象や医薬品効果の理解には糖鎖構造の把握が不可欠です。 シアル酸(sialic acid: SA)は、糖鎖を構成する単糖のうち、通常最も外側に位置する酸性残基のファミリー名です。シアル酸の関連する生体現象は多く、例えばインフルエンザ感染ではシアル酸が中心的な役割を担っています。 糖鎖解析と言えば、従来は蛍光標識によるHPLC分析が主流でしたが、近年は高感度かつスループットの高い質量分析(mass spectrometry: MS)も積極的に利用されるようになってきました。しかしながら、シアル酸を持つ酸性糖鎖は中性糖鎖と比べて分析が難しいという問題がありました。 本稿では、シアル酸含有糖鎖(シアリル糖鎖)の質量分析を容易にするための新しい修飾法である、シアル酸結合様式特異的修飾法とそのキット“SialoCapper-ID Kit”をご紹介します。

2021.04.14

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