ライフサイエンス
nanoESI / LCMS-IT-TOF によるヒト血清中ペプチドの解析
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はじめに
ペプチドは分子量1万以下の低分子で,また組織や細胞が生産する生体内ペプチドの総体を一斉に解析する手法をペプチドミクスと呼びます。ある種のペプチドは生体内の調整物質としての活性を持ち,血液などを介して情報を伝達します。 ここでは,ナノフローLC Prominence nano 1Dシステム,nanoESIインタフェース NES-100およびLCMS-IT-TOF質量分析計を組み合わせて,ヒト血清中の遊離ペプチドを解析した例をご紹介します。 サンプルの前処理方法と分析方法に関しては,まずシグマアルドリッチ社から購入したヒト血清標準品25 μLに0.1 %ギ酸水溶液475 μLを加えました。100 ℃にて15分間加熱した後,14000× g( 4 ℃下)で遠心して上清を回収しました。引き続き,分画分子量10000の遠心分子量カットフィルタ(microcon YM-10,日本ミリポア)により,14000× g(4 ℃下)にて遠心し,フロースルー画分をペプチド抽出液としました。抽出溶液を遠心乾固した後,55 μLの0.1 %ギ酸に溶解したものを最終試験溶液とし,そのうち1 μLをnanoESI / LCMS-IT-TOF分析に供与しました。
2010.11.14