
電気・電子
電気絶縁油は,油入変圧器や油入コンデンサなどに広く使用されています。油入機器内部で異常加熱や絶縁劣化が発生すると,絶縁油から発生した分解ガスや絶縁物の劣化生成物が絶縁油に溶け込み,化学的特性に変化が生じてしまいます。絶縁油の特性試験の一つにベンゾトリアゾール(1, 2, 3-Benzotriazole)の定量が挙げられます。ベンゾトリアゾールは,冷却の際に生じる流動帯電を抑制する効果と硫化腐食防止の目的で,電気絶縁油に添加されることが多く,熱安定性や電気特性が向上することが知られています。この電気絶縁油中のベンゾトリアゾールの定量方法は,JIS C 2101「電気絶縁油試験方法」に記載されています。 ここでは,新一体型高速液体クロマトグラフ “Prominence-i”を用いた電気絶縁油中のベンゾトリアゾールの分析例をご紹介します。
2016.08.29