環境
陰イオン界面活性剤の高速分析
はじめに
上水(水道水)中の陰イオン界面活性剤の定量には、C10~C14 の各種分岐型を含む混合標準液を分析して得られる約 20 本のピークを、各炭素数ごとに分類し、それらの面積値の合計(面積和)を利用します。陰イオン界面活性剤の分離カラムには、炭素数ごとの分岐型を認識し、多数のピークを検出するカラムと炭素数ごとの分岐型を認識せず、1 本のピークとして検出するカラムがあります。一方で、水質基準に関する省令において、陰イオン界面活性剤の検査方法は固相抽出-高速液体クロマトグラフ法が採用されており、基準値は 5 成分合計で 0.2 mg/L とされています。その検査方法で、分離カラムは「内径 4.6 mm で、長さ 15~25 cm のステンレス管に、オクタデシルシリル基を化学結合した粒径が3~5 μm のシリカゲルを充填したもの又はこれと同等以上の分離性能を有するもの」が指定されています。当該省令で指定されているカラムは、上述ののカラムに該当します。アプリケーションニュース No. L477B では、Shim-pack™ VPODS カラム(内径 4.6 mm、長さ 25 cm、粒径 5 μm)を用いましたが、本稿では、Shim-pack FC-ODS カラム(内径 4.6 mm、長さ 15 cm、粒径 3 μm)を用いた例をご紹介します。また、高速高分離カラム Shim-pack XR-ODS II(内径 3.0 mm、長さ10 cm、粒径 2.2 μm)を用いた高速分析例もご紹介します。
2019.03.26