環境
ポストカラム誘導体化法による6価クロムの分析
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はじめに
クロムは,環境中で主に3価(CrⅢ)と6価(CrⅥ)の状態で存在しており,その測定法としては原子吸光光度法,ICP発光分光法,ICP質量分析法といった元素分析法やジフェニルカルバジドによる吸光光度法が広く用いられています。しかし,元素分析法ではクロムは総クロムとして定量されるため,CrⅥのみを定量する場合には,CrⅢを除去するための煩雑な前処理が必要となります。また,ジフェニルカルバジドによる吸光光度法では,CrⅥとジフェニルカルバジドとの呈色反応を利用しているため選択的検出が可能ですが,夾雑金属成分などの妨害を受ける場合があります。 一方,このジフェニルカルバジドとの反応を利用したポストカラム誘導体化HPLC法は,CrⅥをカラムで夾雑成分と分離後,誘導体化反応を行うため,妨害成分の影響が抑えられ選択性を向上させることが可能です。 ここではポストカラム誘導体化HPLC法によるCrⅥの分析例をご紹介します。
2017.07.22