
環境
農地に散布された窒素肥料は,硝酸性窒素や亜硝酸性窒素に変化し,地下水や河川水に溶けだして地下水を汚染します。硝酸性・亜硝酸性窒素が飲料水などに多く含まれていると,血液の酸素運搬能力を阻害するメトヘモグロビン血症を引き起こし,特に外国では乳児が死亡した例もあるなど,人の健康を害するおそれがあります。 また,亜硝酸および硫青酸化物(以下,チオシアン酸アンモニウム)は,肥料中に高濃度で存在すると植物の生育の害となるため,肥料取締法に基づく普通肥料の公定規格によって,含有を許される有害成分の最大量(含有許容量)が規定されています。 ここでは,独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)監修の肥料等試験法(2016)に掲載された試験法(5.8.b と 5.9.a)に準拠して,HPLC による肥料中の亜硝酸及びチオシアン酸アンモニウムの同時分析例をご紹介します。
2016.08.29