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はじめに

RF-20Axs は島津製作所が提供する蛍光検出器としてすでに多くのお客さまにご利用いただき,優れた選択性と感度により信頼性の高いデータを提供してきました。蛍光検出器では分析種に特異的な励起波長(Ex)と検出波長(Em)を選定することで選択性の高い検出が可能ですが,そのために多成分を分析する際には多数回にわたる分析を必要とする場合があります。従来の RF-20Axs は,分析中に励起波長および検出波長を切り替える機能を有し,分析種が溶出する時間にその分析種に最適な波長の組み合わせによる検出を行うことで,この問題に対応してきました。 しかし,分析種同士の分離が不十分な場合など,分析中の波長の切替えだけで多成分一斉分析に対応するには不十分な場合があります。今回,従来の RF-20Axs に改良を加え,複数の励起波長と検出波長の組み合わせで同時に測定することが可能になりました。これにより,分析種同士の分離が不十分な場合でも,励起・検出波長の違いにより一斉分析での分離が可能になります。本報告では,4種類の波長の組み合わせで同時に測定し,15種類の多環芳香族炭化水素(PAH)を分離した例をご紹介します。

2016.03.28

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