常温GPCによるスーパーエンプラの分子量分布測定

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はじめに

エンジニアリングプラスチック(エンプラ)は、自動車、飛行機、電気・電子などの工業製品の部品として使用される、高機能・高性能プラスチックであり、引張強度500kgfcm以上、熱変形温度が100℃以上もあります。エンプラの中で熱変形温度が100℃から150℃のものを汎用エンプラ、150℃以上のものをスーパーエンプラと呼んでいます。常温GPCは高温GPCと異なり、熱変性を起こさずに正確な分子量分布測定ができるメリットがあることからこのスーパーエンプラの分子量測定に最近常温GPCが用いられるようになってきました。試料の前処理は、溶媒に0.2wt%程度(加熱)溶解し、メンブランフィルタ(孔径:0.45μm)でろ過し、そのろ液を100μL程度注入します。カラムがポリスチレンゲルの場合、異動相にジメチルホルムアミド(DMF)を使用すると試料によってはカラム吸着して溶出が遅れるため、移動相に10mM程度の臭化リチウムを添加して吸着を抑制します。いつくつかのスーパーエンプラの分子量分布分析例を紹介します。

2008.06.02

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