電気加熱炉原子吸光分析法による有機溶媒中の金属分析

はじめに

有機溶媒中の微量金属の分析を電気加熱炉法で行うときに，水溶液中の微量金属を分析するときと同じ方法で測定しても，良好な結果が得られないことがあります。 その原因の一つとして，電気加熱炉法で分析をする場合，有機金属化合物は，無機金属化合物と感度が違うということがあげられます。そのため試料中に含まれる測定金属が有機の形態の場合には，標準液にも有機金属化合物の標準物質を使用する必要があります。また，含有されている金属が有機金属化合物の場合，低温で揮発する恐れがありますので，灰化階段で揮発して感度が落ちないように，適切な干渉抑制剤を添加する必要があります。 今回は，ナフサ中の鉛とヒ素，オイル中の銅の分析例を示します。

2021.03.29