新規カラム“Shim-pack MAqC-ODS Ⅰ” による水溶性ビタミンの一斉分析

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はじめに

ビタミンは生体内の代謝に関して重要な働きをする物質で,体内で合成できない又は必要量を十分に合成できないため,常に食事などで摂取する必要があります。 ビタミンは水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの二種に分類でき,分析には高速液体クロマトグラフが広く利用されています。そのうち、水溶性ビタミンには極性の高い塩基性成分が多く,これらの成分は逆相モードでは保持が弱いことが知られています。このため,一般的にはイオンペア試薬を用いて分析しています。 しかし,イオンペア試薬を用いた場合,グラジエント溶離が利用し難いため,分析時間が長くなってしまったり,溶出の遅い成分のピークが広がってしまい,感度上昇が困難だったりします。また,移動相調製に手間がかかる,カラムのコンディショニングに時間がかかるという点が課題でした。 ここでは,新たに開発した”Shim-pack MAqC-ODS Ⅰ”カラムを用いて,移動相にイオンペア試薬を添加せずに水溶性ビタミンの一斉分析を行った例をご紹介します。

2021.03.28