高速高分離分析の応用(その43)“Nexera”によるヒト血漿中グリベンクラミドのキャリーオーバー評価

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はじめに

近年、LC/MS/MSによる血漿中の薬物分析の分野においても、2μm前後の微粒子充てんカラムを用いた高速高分離分析技術が使用されるようになってきました。微粒子充填カラムのカラム内拡散は、汎用カラム(5μm)より小さいため、ピーク高さが高く、さらなる高感度な定量が可能となります。こうした高感度分析が行なわれる一方、オートサンプラのキャリーオーバーが、LC/MS/MSの高感度分析に影響を与えることが問題となってきました。アプリケーションニュースNo.L425では、ヒト血漿中レセルピンによるNexeraオートサンプラ”SIL-30AC”のキャリーオーバー評価を行い、低キャリーオーバー性能であったことを報告しました。これは”SIL-30AC”の持つポテンシャルの高さに加え、リンス機構による洗浄が有効であったと考えられます。 ここでは、血中薬物の測定において、幅広い薬物に適用できるリンス洗浄として、No.L425で報告したリンス洗浄方法の妥当性についてご紹介します。

2011.10.11