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はじめに

ヘッドスペース-GC/MS(HS-GC/MS)は環境水中の揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds; VOC)の測定に多く用いられており,上水試験方法の2001年度の改訂では水道水中のVOCの測定にも採用されています。 分析の効率を上げるためには,分析時間の短縮が不可欠となります。手段としてはカラム長さの短縮,キャリヤガス流量の増加,カラム温度を高くするといった方法があげられますが,その場合分離能力は低下します。一方カラムの分離能力を上げる方法としては,カラム内径を細くする方法が一般的に行われていますが,HS-GC/MS法においては,キャリヤガス流量の低下はヘッドスペースガスのカラム注入量の低下もしくはピークの幅広化につながるため,検出感度低下の原因となります。また,水中のVOC測定では,水がMSに入ることになり,短い間隔で試料を注入した場合に真空の問題から感度が変動する可能性もあります。 島津GCMS-QP2010は高感度を実現しているため感度にも余裕があり,真空についても大容量の排気系(260Lと65Lの2つのTMP)を備えており,十分に余力があります。そのため,カラムの内径を細くしての短時間分析が容易に可能です。 今回のアプリケーションニュースではGCMS-QP2010を用いて上水試験方法に基づいたVOC23成分の分析時間を30分から15分周期に短縮した例についてご紹介します。

2008.04.22

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