水中のEDTA(エチレンジアミン四酢酸)の GC-MS による高感度分析

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はじめに

2001年7月に上水試験方法が改訂になり,エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の測定法が加えられました。EDTAは,農産物,食品添加物を含めた生活用品などに広く使用され,多くの工業製品,めっき,調剤,水の軟化処理などにも使用されています。排出されたEDTAは環境中ではほとんど分解せず,金属キレートの形態で存在すると考えられているため,環境水中には微量ながら含まれていることが想定されます。 動物実験結果より,ヒトに対する毒性の疑いがわずか ながらあるため,FAO/WHOからはEDTAのADI 1.9 mg/kg体重/日の1%である0.6mg/Lがガイドライン値とされています。水中のEDTAの上水試験方法での定量下限が0.5μg/Lとされています。前処理操作で100倍濃縮されますので,実際に測定する試験溶液で要求される定量下限は0.05mg/Lとなりますので感度的には十分余裕があります。

2008.04.22

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