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はじめに

環境庁は平成10年6月に「水環境保全に向けた取り組みのための要調査項目リスト」を作成し,300物質がリスト化されています。この要調査項目に対するマニュアルは平成11年12月に環境庁水質保全局水質管理課から示されていますが,すべての物質に対するものではありません。ここで示されている物質は塩化ビニル,メチル-t-ブチルエーテル等の21揮発性化合物,ホルムアルデヒド,ジンクピリチオンおよびエストラジオールに関するマニュアルのみです。21揮発性化合物に対する測定法はパージ&トラップ法(P&T),もしくはヘッドスペース法が採用され,水質試料に対する目標検出下限値は0.01μg/L(10ppt),目標定量下限値は0.03μg/L(30ppt)となっています。 本アプリケーションニュースでは,マニュアルにある21揮発性化合物をP&T法で測定しました。しかしジシクロペンタジエンは標準試料がないため,割愛しました。またこれらの物質の中には常温でガス状物質(塩化エチル,塩化ビニル,塩化メチル,1,3-ブタジエン)があります。これらは冷却したメタノールにガス状物質を溶解し,標準試料を作成する方法をとっています。塩化メチル,塩化ビニル,1,3-ブタジエン,臭化メチルではメタノール,水の影響が現われ,ベースラインの変動をもたらし,分析条件の検討に注意を要します。 Table1に分析条件を,Table2に測定対象物質のリストを示します。Fig1にはTICクロマトグラムを示しますが,対象物質は今回の20成分とEPAから規制されている揮発性有機化合物も加えました。目的の20成分に対してはピークに番号を記載しました。

2008.04.22

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