環境
パージ&トラップ-GCMSによる水中の生ぐさ臭成分の分析
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はじめに
生ぐさ臭は黄金藻(Uroglene Americane)に起因する不飽和アルデヒド臭で,1995 年琵琶湖で大発生して以来,カビ臭成分とともに,飲み水の臭気成分として監視されています。 この生ぐさ臭の原因物質はトランス,シス-2,4-ヘプタジエナールとトランス,シス-2,4-デカジエナールの 4化合物で炭素数 7 個と 10 個の不飽和アルデヒドです。 これらの化合物の生ぐさ臭に対する閾値は数100 ppb程度で,カビ臭成分と比べて高濃度であることから,閾値の 1/100 である ppb オーダが定量下限と考えられます。またトリハロメタンに代表される VOC に比べて蒸気圧が低いため,前処理法としては静的ヘッドスペースに比べ,パージ& トラップ法が理にかなっているといえましょう。 今回は Tekmar 3000J(パージ & トラップ濃縮装置)-GCMS-QP5050A(ガスクロマトグラフ質量分析計)を用いた生ぐさ臭成分の分析結果を報告します。
2008.04.22