石油化学
ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂製おもちゃにおける6種類のフタル酸エステル試験法(GC/MS)
はじめに
平成22年9月に食品,添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の一部が改正され,規制対象とするフタル酸エステルの種類が2物質(フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(以下 DEHP),フタル酸ジイソノニル(以下 DINP))から6種類(DEHP,DINP,フタル酸ジ-n-ブチル(以下 DBP),フタル酸ベンジルブチル(以下 BBP),フタル酸ジイソデシル(以下 DIDP),フタル酸ジ-n-オクチル(以下 DNOP))に増加されました。また,規制対象とする材料についても,ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂に限定せず,可塑化された材料(可塑剤が使用された材料)からなる部分に拡大されました。 フタル酸エステル試験法では,有機溶剤で溶出させたおもちゃ中のフタル酸エステルをGC-FIDもしくはGC/MSで測定し,試験溶液中の各フタル酸エステルのピーク面積が基準濃度相当の標準溶液中の各フタル酸エステルのピーク面積より大きくないこと(各フタル酸エステル量が0.1 %以下であること)を確認しますが,GC-FID測定にて不適合であった場合には,GC/MSを用いて確認試験を行う必要があります。 本アプリケーションニュースでは,GC/MSを用いた,おもちゃにおける6種類のフタル酸エステルの分析例をご紹介します。同一試料におけるGC-FIDでの分析例につきましては,島津アプリケーションニュースNo.G275「ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂製おもちゃにおける6種類のフタル酸エステル試験法」をご参照ください。
2011.02.01