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はじめに

現代に生きる私たちは,多くの汚染物質に囲まれて生活しているといっても過言ではありません。その中でも,生命活動の維持には欠くことのできない環境大気が汚染されている問題は,深刻に受け止められています。屋外では排ガスや粉塵等を含んだ大気による暴露,室内では,建材から発生する揮発性有機化学物質や,ハウスダスト等を含んだ大気による暴露が問題となっています。 アセトアルデヒドやプロピオンアルデヒドに代表されるアルデヒド類は,悪臭防止法により工場の敷地境界線などで測定するよう義務づけられています。一方,中央公害審議会は昨年大気汚染防止法の大幅な改正を受けて,アセトアルデヒドとホルムアルデヒドを優先的に取り組むべき物質として選定しました。 ガスクロマトグラフ(GC)分析においては,大気中のアルデヒド類を濃縮捕集時に2, 4-ジニトロヒドラジンによりアルデヒド-2, 4-ジニトロヒドラゾン(アルデヒドDNPH)誘導体に変え,窒素化合物に対して高感度選択性のあるFTD(熱イオン化検出器)により検出を行います。 このため環境大気等に存在する微量のアルデヒド類も高感度で測定することができます。大気中のアルデヒド類の濃縮捕集には,カートリッジを利用した固体捕集と直接溶液に捕集する溶液捕集とがあります。GCではカートリッジ法が標準方法として示されています。 このアプリケーションニュースでは,大気中のアルデヒド類の捕集方法ならびにカートリッジからの溶出およびGC-FTDによる分析例について紹介します。

2004.12.06

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