
石油化学
キャピラリカラムを用いる分析で,定性,定量に不必要な高沸点成分の流出を待つ必要があるために,分析時間が長くなっている場合があります。こんなときには,プレカラムインジェクタを用いて,高沸点成分をプレカラムにトラップさせ,バックフラッシュさせることにより,分析時間を短縮させることが可能です。 プレカラムインジェクタは6方バルブと組み合わせて使用します。プレカラムインジェクタは,試料気化が起こる上部とプレカラムとなる下部からなり,それぞれ個々に温度制御できるようになっています。分析手順は以下のとおりです。 a分析試料注入時は,qの方向にキャリアガスが流れています。試料成分はインジェクタの上部で気化し,下部のプレカラムに導入されます。 sプレカラムへ導入された各成分は,沸点の低い成分から順にメインのキャピラリカラムへ移動していきます。この過程で,各成分はスプリットされます。 d分析対象成分がすべて,メインのキャピラリカラムへ移動したのち,6方バルブを切り替えます。wの方向にキャリアガスが流れ,プレカラム内に残った不要な成分はスプリットベントおよびセプタムパージラインから排出されます。 また,このシステムGCを用いると,分析時間を短縮させるだけでなく,高沸点成分がメインのキャピラリカラムに入らないので,カラムの劣化を低減することになります。 ここでは,石油化学向けの応用分析例を紹介いたします。
2004.12.06