バイオ医薬品凝集性評価システム Aggregates Sizer - アプリケーション

バイオ医薬品凝集性評価システム Aggregates Sizer

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100 nm~ 10 µmの粒子量を定量的に評価

■pHを変えた場合のγグロブリンの粒子径分布と粒子量の変化

pHを変えた場合のγグロブリンの粒子径分布と粒子量の変化

γグロブリンを純水,フタル酸緩衝液(pH4),リン酸緩衝液(pH7.4)に分散させた場合の粒子径分布と粒子量を示します(濃度:1 mg/mL)。
会合凝集粒子は1μmから10μmの間に多く分布し,粒子量は純水分散の場合が最も多く約4.4μg/mL,リン酸緩衝液の場合が最も少なく約0.4μg/mLと10倍以上の差がありました。

少ないサンプル量で測定

マイクロセル
サンプル量0.125 mLで測定可能です。

マイクロセル

凝集体の経時変化を定量的に評価

■最短30秒間隔で連続測定が可能

Aggregates Sizerの特長である高速測定の機能を生かして,凝集体の変化(サイズおよび量)の状態を最短1秒間隔ごとに定量的に確認することができます。したがって,変化前と変化後の状態だけでなく,途中経過が観察でき,変化のスピードを評価することもできます。また,逆に連続測定によって変化しないことも評価でき,サンプルが安定な状態にあることも確認できます。

POINT
1. 単一レーザ光源系を採用することで最短30秒の高速測定が可能。タンパク質凝集体の時系列変化を測定できます。
2. 回分セルによりバイオ医薬品をかくはんしながら測定が可能。かくはんによりバイオ医薬品の凝集が進むとの報告もあり,バイオ医薬品の凝集に対する特性評価スクリーニングにもお使いいただけます。

機械的刺激による凝集性評価が可能

■数日掛かる凝集性評価を短時間で実現

回分セルのかくはん機能を用いて,サンプルに機械的刺激を与えて,その変化を観察することができます。これによって,一種の加速試験を本システム単体でも行うことができ,機械的刺激によって凝集しやすいタンパク質をスクリーニングすることができます。

■L-アルギニン添加による凝集体形成の阻害効果

Fig.1L-アルギニン添加による凝集体量の変化
上「L-アルギニン 添加なし」 下「L-アルギニン 100mM添加」

BSA分散液(Trisバッファー pH5)にL-アルギニンを添加することによる凝集体形成の阻害効果を確認する測定を行いました。付属のかくはん機構を使用することにより,短時間で凝集体を形成させることが可能です。
測定された総粒子量とかくはん時間の関係をFig.1に示します。L-アルギニンを添加する事により,形成される凝集体量が減少していることがわかります。

■機械的刺激による凝集体形成の評価

機械的刺激による凝集体形成の評価

γグロブリンをリン酸緩衝液(pH7.4)に分散させ,Aggregates Sizerの回分セルに標準装備のかくはん機構でかくはんした場合の粒子径分布と粒子量の時間経過を示します。(かくはん時間:0, 10, 20, 30 min, 濃度1 mg/mL)
凝集粒子の粒子量は,かくはんを行わない場合(0 min)は約0.4 μg/mLでしたが,かくはんを30分行った場合約2.2 μg/mLと5倍以上増加しました。

かくはん機能により凝集しやすさを評価

回分セル
かくはんプレートの上下運動によりサンプルに機械的刺激を与えることが可能です。(必要液量:5 mL)

回分セル

臨床検査薬(体外診断用医薬品)の反応性/安定性の評価

臨床検査薬(体外診断用医薬品)の中には,粒子(ビーズ)に抗原もしくは抗体を付着させ,検体を添加した際の抗体抗原反応による凝集を利用して病気や妊娠の有無について診断を行うものがあります。この場合,凝集を無制限に促進した方がよいものと,診断薬を含む診断用パッケージの性能を維持するために,凝集を一定範囲内に抑制しなければならないものがあります。さらに適正な反応を担保するために,pH や塩濃度などの条件を厳密にコントロールすることが重要であり,これらの条件と凝集体のサイズおよび濃度の関係を,創薬段階で十分に評価し,それに基づいて厳密な品質管理を行う必要があります。
ここでは,構造が共通の「 proteinA 修飾ビーズ 」を用いて,Aggregates Sizer による上記評価の可能性を検討してみました。

抗体付きビーズの分散性の濃度依存性に関する評価

市販のProteinA修飾ビーズ ( 1µm ) には,凝集体が含まれており,それを分散させる際の濃度によって超音波照射を用いたときの分散性が異なる場合があります。
この種の臨床検査薬の場合,適正に分散していないと,本来の目的である抗体抗原反応による凝集が再現性良く評価できない可能性があるので,分散性の評価は重要です。

Fig.1 濃度による分散性の違い

Fig.1 濃度による分散性の違い

サンプルおよび測定条件

サンプル:市販の proteinA 修飾ビーズ ( 1µm )
媒液:リン酸バッファ ( pH7.4, NaCl 150mM )
サンプル濃度: ( 分散時 ) 2.5 mg/mL, 25 mg/mL
  ( 測定時 ) 5 µm/mL
分散条件:超音波バス ( 100W ) 1分

この実験は,ビーズの濃度が高い状態で,超音波分散を行っても,ほとんど効果がないことを示しています。
一方,Aggregates Sizer を用いれば,抗体付きビーズの分散状態を,容易に評価できることを示しています。

媒液による抗体付きビーズの安定性評価

抗体付きビーズを用いて媒液が PBS のみと高濃度の塩( NaCl )を添加した場合の凝集性の比較を行いました。

サンプルおよび測定条件

サンプル:市販の proteinA 修飾ビーズ
媒液:  リン酸バッファ ( pH7.4, NaCl 150mM )
   ( +3M NaCl )
サンプル濃度:5 µm/mL
温度:25 ℃
ポリスチレンラテックス1μmの測定結果

( 1 ) 媒液はPBSのみ

ポリスチレンラテックス1μmの測定結果

( 2 ) 媒液はPBS + 3M NaCl

Fig. 2 媒液条件による安定性の比較

これは,臨床検査薬の添加剤に対する安定性評価手法の提案です。
診断に用いられる抗体抗原反応以外にも,サンプルに含まれる成分によって凝集が起きる可能性があり,これらの成分に対するビーズの安定性をAggregates Sizerを用いて評価できることを示しています。

飲料(清涼飲料水やアルコール飲料など)中粒子のサイズおよび濃度の評価

■ 飲料中に存在する微粒子の定量評価(サイズと濃度)に着目したことがありますか?

飲料中の微粒子は,生産設備のトラブルの原因となる恐れがありますし,飲料に多彩で多様な「味わい」を与える可能性もあります。

従来は,0.1µm(100nm)~数10µm の領域の微粒子の濃度を定量評価することは困難でしたが,Aggregates Sizer を用いれば,これらの微粒子のサイズと濃度を定量的に評価できます。

微粒子(コンタミ)の濃度を正確に測定し,発生を抑制できれば,フィルタの目詰まりや配管中の残留物などのトラブルを解消し,生産設備の分解清掃の頻度を低減し,製造コストを抑制できるかもしれません。
一方,飲料の「味わい」を微粒子のサイズと濃度に関連付けて定量的に把握し,微妙な調整と品質管理が可能になれば,新たな商品を計画的に開発することができるようになります。

飲料の生産設備のメンテナンスにお困りではありませんか?

アルコール飲料や清涼飲料水の場合,少なくともその製造工程において,コンタミとしてのサブミクロン粒子が存在する可能性があり,それらが,例えばフィルタの目詰まりや配管内の残留物などの原因となり,生産設備のメンテナンスの頻度を高めている可能性があります。

Fig.1 3種類の日本酒の測定結果

Fig.1 3種類の日本酒の測定結果

3種類の日本酒には,多少濃度が異なりますが,0.1µm 前後の微粒子が含まれています。これらが,製造工程内のトラブルの原因になっている恐れがあります。
一方,数µm 前後の微粒子の存在が,「のどごし」や「舌触り」として,それぞれの銘柄を特徴づける「味わい」の要因になっているかもしれません。

おいしいお茶の条件を定量化,官能試験に頼らない品質管理

飲料に含まれる微粒子のサイズ,濃度のちがいによって,わたしたちは,「のどごし」,「舌触り」を含めて,多彩で多様な「味わい」を楽しむことができます。
これらの感覚には個人差があり,年齢によっても変化してきます。したがって,官能試験によって,大量生産される飲料の品質を維持することは難しく,定量評価の手法が提供されれば,品質の向上と品質管理工程のスループットの向上につながる可能性があります。

2種類のお茶(ペットボトル)の測定結果

Fig. 2 2種類のお茶(ペットボトル)の測定結果

ここで測定を行った2種類のお茶は,同じメーカのお茶ですが,銘柄は異なります。
一方は,じっくり味わうことを目的とし,意図的に抹茶が加えられていると聞いています。それが10µm のところのピークと考えられます。もう一方は,抹茶などは加えられておらず,一気に飲むことによって爽快感を得ることが目的です。したがって,10µm のピークは存在しません。
このように,お茶の銘柄による目的の違いが,測定結果に明確に表れています。
従来の粒子径分布測定においても,粒子のサイズを評価することはできましたが,濃度を定量的にとらえることはできませんでした。
濃度が評価できれば,品質上の差異を明確に評価することができます。
さらに,微妙な「味わい」のレベルと,人間の感覚との相関性を求めることができれば,多彩で多様な「味わい」を有する新しい銘柄を,系統的に開発することも可能になるかもしれません。
もちろん,粒子による製造上のトラブルも予め予見し,対策を講ずることも考えられます。