装置の信頼性と安定性の追求 -分析結果を支える基本性能-

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自動化と遠隔操作・モニタリングによる新たなラボワークの提案

自動化と遠隔操作・モニタリングによる 新たなラボワークの提案

FlowPilotや移動相モニターなどのAnalytical Intelligence機能,LabSolutions Directにより,装置起動から分析終了までの自動フローと遠隔操作・モニタリングを実現します。自動フローに熟練分析者の操作ノウハウを取り込み長期に渡り安定したデータ採取が行えるとともに,ラボでの必要な作業量を減少させ,業務の生産性を向上させます。

ネットワークの構築でさらなる業務の効率化

 

LabSolutions CSでネットワーク環境を構築すれば,すべての分析データがサーバーコンピュータのデータベースで管理され,データを安全に一元管理するだけでなく,ネットワーク上のどのパソコンからでもデータにアクセスし解析作業を行えます。またネットワークを通じて,居室,さらには自宅*からでも装置の遠隔操作やモニターを可能にします。ネットワーク管理者はユーザーに応じ最適な操作権限を割り振り,信頼性の高いラボ運営を実現します。

  • * 環境に応じて適切なネットワークを構築いただく必要がございます。
移動相モニター


移動相モニター
 

連続分析中の移動相枯渇を防止 

移動相モニター機能*1, *2 は,セットされた移動相量を自動でモニターし,日常の多検体分析を安心して実施できます。分析開始前や分析中にも枯渇の可能性が生じれば作業者にPCやスマートデバイスで通知し,交換を促します。度重なる装置前での確認,枯渇に伴う復旧・再分析を避け,無駄な時間を省きます。

  • *1 オプション
  • *2 1 Lびん使用の場合は最大6液,大容量びん(2 Lから5 Lまで)使用の場合は最大3液までモニタリングが可能
 


移動相流量制御機能
 

熟練者の手作業を自動化

i-Seriesのオートスタートアップ,移動相流量制御機能(FlowPilot)により,装置や消耗品への負荷をかけることなく自動で装置を立ち上げることができます。ラボワークの負荷を軽減しながら,長期に渡り信頼性の高いデータが得られます。

移動相流量制御機能

 

 

 
FlowPilot (特許出願中)
 
オーブン温度に応じてポンプが流量を制御します。
 
  • A  流量を徐々に上昇させる
  • B  メソッド設定値の半分の流量を維持
  • C  オーブン温度が設定値に達すると流量をメソッド設定値まで徐々に上昇
 
遠隔操作/ モニタリング機能
 

ラボ以外からも装置の操作,管理

遠隔操作/ モニタリング機能

スマートデバイスやPCのWebブラウザからLabSolutions Directを経由して,ラボから離れた場所より装置を遠隔操作し,あらかじめ設定したメソッドやバッチ分析を実行することができます。また,装置状況やクロマトグラムも遠隔モニタリングでき,ラボと居室を行き来する時間のロスと手間を低減し,分析従事者の業務効率化を支援します。

intelligent

Analytical Intelligence の適用範囲は,分析ワークフローの自動化や,遠隔操作だけに留まりません。分析熟練者の知識や技術を集約し自動化することで,誰でも信頼性のあるデータを採取し,解析結果を得ることができるよう支援します。また,他のシステムとの互換性の高さとメソッド移管機能は,複数種類の装置間のデータ互換性を得るための煩雑な操作をなくし,誰でも等しくデータが得られる環境を提供します。

 


自動波形処理機能「i-PeakFinder」
 

大量のデータを高精度に一括処理

ベースラインのうねりや,ノイズに埋もれたピークなどを1つ1つ処理するのは手間がかかる上,熟練度により差が生じます。当社独自の波形処理アルゴリズム i-PeakFinderは,このような厄介なクロマトグラムの処理に最適です。大量のデータに対して高精度に一括処理できるため,多検体の多成分一斉分析データの解析をより迅速に実施できます。

ベースライン処理=設定無し

ベースライン処理=完全分離


 
メソッド移管支援機能「ACTO」
 

装置の置き換えやメソッドの移管を支援 

他の装置で使用していた試験法(分析条件,メソッド)を別の装置に移管して同じクロマトグラムを得るのは,時には簡単ではありません。i-Seriesは,他社システムや当社従来機とシステム内部容量を同一にすることで,互換性のあるデータ採取を可能とします。また,ACTO(Analytical Condition Transfer and Optimization)機能によるグラジエント開始タイミングの自動調整で,グラジエント分析時の分離調整を簡単に行うことができます。

メソッド移管支援機能「ACTO」

 
 

ソフトウェア制御(ACTO)による互換性の実現

ACTO機能によるグラジエント開始タイミングの調整を用いることで、配管容量を気にすることなく既存のメソッドと互換性のある分析が可能です。ACTOは、グラジエントプログラムを編集することなくグラジエントのタイミングを調整することができるため、以下の分析例のように、LC-2050よりもシステム容量が大きい既存の分析メソッドをLC-2050へ適用しても、同様の分析結果が得られます。このグラジエント開始タイミングの調整機能については、i-Seriesすべての機種で使用できます。

LC-2050と当社従来機(LC-2010HT)とのACTOによる互換性確認

 
 
 
 
 
 

米国薬局方に準拠したメソッド移管にもACTOを活用

グラジエント分析においては、機種間のグラジエント遅れ容量の違いからメソッドの互換性を維持することが困難な場合があります。グラジエント開始タイミングの調整機能(ACTO)を使った、イニシャルホールド時間の調整はUSP 621 に準拠したメソッド移管が可能です。グラジエント遅れ容量が異なる機種間であっても、配管などを交換することなく同様の結果が得られます。

intuitive

ユーザーインターフェース
 

i-Seriesの操作を簡便化

i-Series の操作を簡便化

流路を模したユーザーインターフェースにより,視覚的にシステムの稼働状況が確認できます。同一の画面からメソッド編集を行うことができます。直感的な操作性を実現し,教育に時間を要さず初めてLCに触れるユーザーにもお使いいただけます。

メンテナンス動画
 

消耗品の交換をサポート

メンテナンス動画

タッチパネルに表示された二次元バーコードを読み取り,メンテナンスの操作説明・解説用Webサイトをご覧いただけます。システムの稼働率を上げ,一層の効率化に貢献します。

 
オートバリデーション機能
 

常に安定してシステムが起動

オートバリデーション機能により,送液の安定性,波長の正確さ,吸光度の正確さ,グラジエントの正確さ,ドリフト/ノイズ確認等の検査項目を,誰もが一定の手順で装置のコンディションを簡単に確認できます。また,装置の運転前の日常点検を自動的に実施できるシステムチェックは装置の自己診断結果や,送液ポンプの総送液量,オートサンプラーの注入回数,ランプ点灯時間などの消耗品の使用頻度をレポートに記録でき,オートバリデーション結果とともに管理することで,装置の起動状況を的確に判断できます。

オートバリデーション機能

オートバリデーションの開始
バリデーション実施項目の手順や必要な移動相などの情報が画面上に表示されますので,指示に従うだけで点検作業が実施できます。
システムチェックレポートの作成
バリデーション結果は装置本体から参照できます。また,ワークステーションからレポート形式で出力できます。

 

 
 

自動前処理機能による作業効率の向上

希釈溶媒の共注入によるピーク形状改善例

i-Series のオートサンプラーには簡易の自動前処理機能が搭載されています。例えば試料と希釈溶媒を一緒に注入する(共注入)ことで、ピーク形状が崩れやすい試料溶媒であっても安定した分析が可能です。また、この機能を活用することで、サンプルループ内で試料と試薬を反応させることもできます。
以下のクロマトグラムはアミノ酸のOPA/FMOC 試薬によるプレラベル化反応について、本機能を用いて行った結果です。吸引した試料をすべて分析へ供することから、必要とする試薬や試料の量を最小限に抑えつつ、高感度な分析が可能です。

 
 
 
 

アミノ酸の自動プレカラム誘導体化分析

 

 
 
 
他の分析者の測定に影響なく, いつでも試料のセットが可能

他の分析者の測定に影響なく,いつでも試料のセットが可能

取手と扉を兼用したサンプルラックのダイレクトアクセス機構により,分析中でも試料の注入動作を行っていないラックに試料がセットできます。また,他の分析者がセットした試料の測定を止めることなく,複数の分析者が共有して使用できるため,さらなる業務の効率化が可能です。

オプションの検出器を追加してもコンパクトな設置面積

UV検出器モデルにPDA検出器を追加したり、蛍光検出器や示差屈折率検出器、さらには小型の質量分析計を追加することが可能です。標準搭載の検出器と追加の検出器の同時データ取得ももちろん可能です。i-Seriesは一体型ならではの使い勝手をそのままに、拡張性にも優れています。

 
TC-Opticsとフローセルの二重温度調節機能
 

優れたベースライン安定性

フローセルの温度調節機能に加え,検出器の光学系温度調節機能であるTC-Optics(Temperature Controlled Optics)を新たに採用しました。室温変化の影響を受けにくい安定したベースラインによる測定は,微量成分の確認試験や定量試験の精度を高めます。

 

TC-Opticsとフローセルの二重温度調節機能

 
高感度分析を支える極低キャリーオーバー性能
 

微量分析の信頼性を向上

独自の流路設計と部品材質により,残存試料によるキャリーオーバーの影響を限りなくゼロにします。0.0025%(クロルヘキシジン、指定条件)に到達した極低キャリーオーバー性能は,複雑な試料の分析においても精度の高い定量性能を提供します。

高感度分析を支える極低キャリーオーバー性能

 
 

低温分析への対応(オプション)

医薬品の分析においては低温での分析が必要な場合があります。i-Series ではオプションで低温分析用ユニットを用意していますので、このような分析条件にも対応できます。本オプションを搭載することにより、室温-15℃の温調が可能になります。以下は第十八改正日本薬局方に収載されている医薬品、バラシクロビルの分析例です。定量試験においては分析条件に10℃が指定されていますが、一般的なラボの環境においてi-Series でも分析が可能となります。

 

 

専用ソフトウェアによりメソッド開発を効率化

メソッド開発ソフトウェアであるLabSolutions MD を使用することで、i-Series でもメソッド開発が可能です。LabSolutions MD は、科学的な根拠とリスクに基づき分析法を開発す“Analytical Quality by Design(AQbD)” アプローチに基づいた効率的な分析法の開発を実現します。実験計画法を用いた分析スケジュールの生成、移動相・カラム・LC パラメーターの切換えによる分析の自動化、デザインスペースの構築による最適分析条件の決定および頑健性評価といった一連のワークフローを完結できます。

クロマトグラムのピークを自動的にトラッキング

LabSolutions MD ではパラメーターを複合的に用いてピークを同定する機能があります。右図の例では、フマル酸は酸濃度とカラムオーブン温度によって他ピークと比較し、保持時間が顕著に変動します。そのため、溶出順が変わらないマレイン酸のみピーク高さ%と溶出順でフィルターをかけ、その他成分はピーク高さのみとすることにより、ピーク溶出順が入れ替わるフマル酸においても自動で各ピークを同定することができました。

最適な分離条件の視覚化、最も頑健な分析条件を特定

初期スクリーニングでは、移動相の有機溶媒濃度やカラムオーブンの温度など、分析条件のパラメーターを自動的に複数設定して分析を行います。そこで得られたパラメーターの変動が分離に与える影響を、視覚的に描画可能です。例えば右図のデザインスペースは縦軸に移動相Bの有機溶媒濃度、横軸にカラムオーブン温度をプロットしています。これにより、最も頑健な分析条件は有機溶媒の混合比率が50%、カラムオーブン温度が39℃であることが一目でわかります。

デザインスペースからクロマトグラムを予想

デザインスペースの任意の分析条件点をクリックすると、その分析条件に変更した際のクロマトグラムの変化を視覚的に予想可能です。分析前に、条件を任意に変更した際の分離挙動の確認が可能です。

 
 

Analytical Intelligenceは,島津製作所が提案する分析機器の新しい概念です。
システムやソフトウェアが,熟練技術者と同じように操作を行い,状態・結果の良し悪しを自動で判断し,ユーザーへのフィードバックやトラブルの解決を行います。
また,分析機器に対する知識や経験の差を補完し,データの信頼性を確保します。

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