薬物動態への応用(脳組織切片のMSイメージ)

クロザピンを経口投与したラットの脳組織切片のMSイメージ

MALDI-TOF MSイメージングの技術は、生体組織中に存在する様々な生体分子の分布を質量分析計で検出したイオンの質量および信号強度をもとにして描く革新的新技術です。動物に投与した薬剤やその代謝産物の組織切片上の分布や局在を調べることが可能で、薬物送達や薬物動態研究への応用が期待されています。
 ここではクロザピン(100 mg/kg)を経口投与したCD1ラットを60分後に処置して作成した脳組織切片(凍結切片)を試料として、投与薬剤の分布を検討した結果をご紹介します。

組織上での質量分析によってクロザピンのイオンに一致するm/z 327が検出され、MS/MS分析の結果からこのイオンがクロザピンであることが確認されました。検出されたクロザピンに対してMSイメージを作成したところ、クロザピンは脳組織上のさまざまな部位で広く検出されましたが、特に大脳皮質部位において強く検出されました。 一方、クロザピンの脱メチル化体の分布はクロザピンとは異なりました。

データご提供 : Dr. Rebecca Fish、Dr. Philip Clarke、Dr. Cerian Powell (英国 Pfizer 社)
 

MALDI-TOF MSイメージングシステム

MALDI-TOF MSイメージングシステム

  • 脂質、低分子化合物からペプチド、タンパク質まで多様な分子のMALDI-TOF MSイメージング、同定、構造解析が可能です。
  • 得られたMSデータは、BioMap等の既存のMSイメージングソフトウエアに読み込み、解析を行なうことができます。