質感が異なる塗膜のレーザー微分干渉観察 /OLS、SFT
塗膜（コーティング膜）は建材，輸送機，電子部品や電子機器，食品包装，印刷などのあらゆる分野で用いられています。これらの塗膜の質感は重要な性能であり，これらは塗膜の表面性状に大きく起因しています。人間の目は非常に高感度であるため，傷やうねりの有無，光沢の度合いなどの質感を敏感に捉えますが，光学顕微鏡による質感の違いの画像化や数値化は困難です。
今回，二種類の明らかに見た目の質感が異なる半透明塗膜の表面形状のレーザー微分干渉観察を3D測定レーザー顕微鏡OLS4100を用いておこないました。
Fig.1 質感が異なる2つの塗工紙のカラー観察像視野
2.56mm
Fig.1に観察に用いた黄色の半透明塗膜が施された塗工紙の斜光照明によるカラー観察像を示します。この二種類の目視観察では明らかに見た目の質感が異なります。しかしながら，このカラー観察像，すなわち光学顕微鏡からの質感のちがいの明瞭な観察は困難です。
Fig.2 質感が異なる2つの塗工紙のレーザー微分干渉像視野 640μm
レーザー微分干渉観察
Fig.2におなじ塗工紙のレーザー微分干渉観察像を示します。レーザー微分干渉観察は分解能程度にずらした2本のレーザー光を試料に同時に照射します。そして,それぞれの反射光の光路差による干渉を利用することで，微小な凹凸やうねりを立体的に検出する手法です。
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質感が異なる塗膜の表面観察と三次元表面性状パラメータ
3D測定レーザー顕微鏡 OLS5000
3D測定レーザー顕微鏡
3D測定レーザー顕微鏡OLS5000の外観を示します。この装置は波長405 nmのレーザー光と白色LED光を使用することにより高分解能なレーザー観察像とカラー像が得られます。さらに三次元形状（3D）計測や粗さ測定を非接触で行うことができます。
