フェノール、イソプロピルリン酸(3:1)(PIP(3:1))(CAS登録番号:68937-41-7)は、イソプロピル化された3つのフェニル基を持つリン酸化合物です。
2021年、米国環境保護庁(U.S. EPA)は、有害物質規制法(米国TSCA)の第6条h項に基づき、PIP(3:1)を難分解性・生物蓄積性・有毒性のすべてに該当する化学物質(PBT物質)の一つに位置付け、当該物質を含有する製品や成形品の国内での製造や商取引の規制を開始しました。米国へ製品を輸出する場合、PIP(3:1)が含有されていないことを確認する必要があります。しかし、サプライチェーンのグローバル化・複雑化により、PIP(3:1)の使用の有無を情報伝達だけで把握することが困難になっています。
対象 | 規制される活動 | 許容濃度 | 規制開始時期 |
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PIP(3:1)含有製品 または成形品 |
加工および商取引 | なし | 2024年10月31日 |
接着剤 またはシール剤 |
加工および商取引 | なし | 2025年1月6日 |
写真印刷用品 | 加工および商取引 | なし | 2022年1月1日 |
当社では、PIP(3:1)の分析のため、リン元素の簡易な分析ができるエネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)および、PIP(3:1)自体の分析が可能な、熱分解GC-MS(Py-GC-MS)をラインナップに揃えています。
PIP(3:1)の分析 | エネルギー分散型蛍光X線分析装置 | 熱分解GC-MS(Py-GC-MS) |
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ラインナップ | EDX-7200 |
熱分解GC-MS |
測定物質 | リン元素(P) ※リン元素の検出下限:15 mg/kg |
PIP(3:1) ※PIP(3:1)の検出下限:10 mg/kg |
特長 | ・リン元素(P)を測定可能。 ・化学的前処理無く簡便に分析が可 ・リンスクリーニング分析キット有 | ・有機溶媒を使用せず、簡便な操作で樹脂中PIP(3:1)自体を測定 ・Scan/SIM高速切り替え測定(FASST)により、PIP(3:1)を高感度モードで分析しながら、その他に使用されている添加剤の定性解析可能。 ・高分子添加剤ライブラリを用いることで、添加剤の定性解析に要する時間を大幅に短縮。 |
mg/kg=ppm