シリカウール充てん位置ガイド
ここに示されているシリカウール位置および充てん量は標準的な目安です。分析条件や試料によって最適値は異なる場合があります。
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一般的にスプリット分析の場合は8~10 mg、スプリットレス分析の場合は2~4mg程度のウールを充てんします。
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水溶液などの気化潜熱が大きい試料を分析する場合にはシリカウール充てん量を増やすとよい場合があります。逆に吸着性の高い試料の場合には充てん量を減らすと良い場合があります。
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スプリットレス注入やワイドボアダイレクト注入では、シリカウールを充てんしない方が良い場合があります。(吸着、分解を防ぐ)
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下絞りタイプのインサートにシリカウールを充てんする場合、一般的にシリンジの針先すぐの位置に充てんすると再現性がよくなりますが、マトリクスの多い試料や吸着性の高い試料を分析する場合には絞りの底に充てんすると再現性や回収率が上がる場合があります。
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高沸点化合物を分析する場合には、シリカウール充てん位置を10 mm~20 mm程度下げることで回収率が上がる場合があります。
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試料注入口内での吸着、分解を防ぐためにシリカウールやインサートは不活性化処理済の物の使用をお勧めします。
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スプリット分析のときは、シリカウールの上面を平坦にすると、再現性が向上する場合があります。
( キャピラリ用ガラスインサート 参照)
キャピラリ用ガラスインサートのウール充てん位置の目安(SPLまたはWBI)¶
注入方法 | シリンジの種類 | 充てん位置 |
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AOC使用 | AOC用シリンジ |
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マニュアル注入 | 針長さ43 mmシリンジ (AOC用) |
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マニュアル注入 | 針長さ51 mmシリンジ |
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マニュアル注入について
通常は上図の位置にシリカウールを充てんしますが、シリンジにセプタムを突き刺して使用する場合、シリカウールの位置は、セプタム1個につき6.5 mm調整が必要です。
例えば「針長さ43 mmシリンジ」にセプタムを1個突き刺して使用するときは、上から27 mmの位置ではなく、20.5 mmの位置に充てんしてください。
PTV用のガラスインサートのウール充てん位置の目安¶
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PTV分析の場合、シリカウールの最適位置は分析対象によって大きく異なります。下記を参考にして最適位置を検討してください。
標準的な注入量(1~2 µL)の場合、1~2 mgを充てんしてください。 -
熱的に不安定な化合物をコールドインジェクションで分析したい場合には、シリンジの針先近くにシリカウールを充てんします。
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コールドインジェクションの場合は、ホットインジェクションに比べウールの量や位置が分析に大きな影響を与える場合は少ないといえます。
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沸点範囲の広い試料や高沸点化合物の分析では、シリカウールを上端より35 mm~50 mmの位置に詰めた方が回収率が良くなる傾向があります。
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試料注入口内での吸着、分解を防ぐためにシリカウールは不活性化処理済の物の使用をお勧めします。
注入方法 | シリンジの種類 | 針先直下のシリカウール位置 |
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AOC使用 | AOC用シリンジ | 22 mm |
マニュアル注入 | 針長さ43 mmシリンジ (AOC用) |
27 mm |
マニュアル注入 | 針長さ51 mmシリンジ | 35 mm |