Technical Reportは,規制対応や最新の分析技術・手法など話題のトピックスを様々な分析機器を用いた分析例と共にご紹介します。ご自由に興味のある技術資料をでご覧いただけます。

1. Nexera(モジュール型)

2. 応用システム

3. i-Series

1.  Nexera(モジュール型)

Nexera XS inert
バイオ医薬品の主成分であるたんぱく質やペプチドは構造中に多くの解離基を持つため高速液体クロマトグラフィーによる分析では溶離液のpHが分離に影響を与えることがあります。そのため調製時の溶離液のpHだけでなく分析時の溶離液のpHのモニタリングが望ましいです。本報ではサイズ排除クロマトグラフィーを用いたモノクローナル抗体の凝集体分析での溶離液pH条件の検討とイオン交換クロマトグラフィーを用いた電荷変異体分析でのpHグラジエント分析条件の検討においてpHモニターを活用した例をご紹介します
関連ワード:Nexera XS inert
逆相イオンペアクロマトグラフィー(RP-IP)によるオリゴヌクレオチド分析における分析条件の最適化C190-0555
「イオン交換クロマトグラフィーを用いたオリゴヌクレオチド分析における移動相pH変化が分離に与える影響と対応策」では核酸医薬品の合成時における目的のオリゴヌクレオチドの適切な分離を目的としてイオン交換クロマトグラフィーによる分析例をご紹介しました。本稿ではHPLC分析において一般的に用いられるモードのひとつである逆相イオンペアクロマトグラフィー(RP-IP)による分析例をご紹介します。RP-IPでは移動相に使用する有機溶媒イオンペア試薬の種類や濃度により分離パターンが変化します。鎖長の異なるオリゴヌクレオチドを分離することを目的として分離条件の最適化を行いました。
関連ワード:Nexera XS inert
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によるモノクローナル抗体(mAb)の分析における分析条件の最適化C190-0546
モノクローナル抗体を利用した抗体医薬品では,製造や保管中に形成される凝集体による安全性や効能への影響が懸念されています。このため,製造工程における凝集体のモニタリングが行われており,サイズ排除クロマトグラフィーは最も広く用いられている手法の一つです。しかし,サイズ排除クロマトグラフィーの分析は比較的低流量で行われるため,分析に長い時間を要します。また,モノクローナル抗体とカラム充填剤との相互作用を考慮した分析が求められます。本テクニカルレポートは,微粒子充填剤カラムを使用して,モノクローナル抗体の凝集体分析における分析条件を最適化する例をご紹介します。優れた分離度と感度を得ながら短時間の分析を実現するために,移動相中の塩濃度や流量,移動相 pH がピークの分離や形状にどのように影響するかを示しています。
関連ワード:Nexera XS inert
 
検出器
フォトダイオードアレイ検出器SPD-M40の UVカットオフフィルターによる 光分解性化合物ナプロキセンの高精度分析C190-0508
フォトダイオードアレイ(PDA)検出器を用いた分析は,広範囲の波長域の光を利用できるため,様々な化合物の定性および定量が可能です。SPD-M40は短波長領域のUV光を透過しないUVカットオフフィルターを搭載しています。これにより,PDA内における成分の光分解を抑制し,高い精度での分析を実施することができます。
フォトダイオードアレイ検出器SPD-M40のAdvanced TC-Opticsによる室温変動の影響の排除~ベースライン安定性と分析精度の向上~(C190-0495)
フォトダイオードアレイ検出器は検出原理上,装置を設置している環境の影響を受け,室温変化とともにベースラインの変動を起こすことがあります。SPD-M40は室温変動の影響を排除するために,検出器セル,光源ランプと分光器をそれぞれ個別に温調する三重温度調節機能(Advanced TC-Optics)を採用しています。これにより,室温変動が大きな場合でも,安定したベースラインが得られ,高感度分析や長時間分析においても高い精度で分析を実施することができます。
関連ワード:
フォトダイオードアレイ検出器三重温度調節機能
フォトダイオードアレイ検出器SPD-M40による直線性と定量性の向上(C190-0487)
UV-VIS検出器やフォトダイオードアレイ(PDA)検出器は原理上検出の過程で発生する迷光が直線性に大きく影響を与えます。本レポートでは検出時の迷光の影響について解説するとともに迷光の影響を徹底的に軽減し仕様値で2.5AU(実力値はそれ以上)の直線性を実現したフォトダイオードアレイ検出器 SPD-M40をご紹介します。さらに低シグナル領域側ではノイズ低減により低濃度の検出精度を改善し幅広い濃度範囲を定量が可能になりました。これにより濃度域が異なる主成分と不純物を同時に分析・定量が実現できます。
連ワード: フォトダイオードアレイ検出器
フォトダイオードアレイ検出器の新しいデータ解析手法 i-PDeA II (Intelligent Peak Deconvolution Analysis II)の原理と概要(C191-0078)
ケモメトリクスのMCR-ALS(Multivariate Curve Resolution Alternating Least Squares)法をフォトダイオードアレイ(PDA)検出器データに適用し,未分離のピークから目的ピークを抽出するデータ解析手法i-PDeA II(Intelligent Peak Deconvolution Analysis II)を開発しました。
i-PDeA IIは,波長範囲と時間範囲を指定するだけで,複数成分の吸収スペクトルとクロマトグラムを分離することができます。i-PDeA II機能により,分離が困難でかつ標品が準備できない試料でも,単一成分に分離した後のピークのスペクトル同定や定量を行うことができます。また,i-PDeA IIは,スペクトル形状の違いのみでピークを分離するため,異性体の共溶出ピークの分離・定量にも適用することができます。本稿では,i-PDeA IIによるピーク分離の原理と,3成分系の異性体試料への適用例,ならびにスペクトル同定と定量の性能評価についてご説明します。
(概略をWebにてご紹介
フォトダイオードアレイ検出器の新しい分析手法 i -PDeA (intelligent Peak Deconvolution Analysis)の原理と概要(C190-0400)
合成品の不純物分析において,主成分との分離が不完全あるいは主成分ピークに埋もれている可能性がある不純物を解析したい場合,フォトダイオードアレイ検出器の新しい機能 i -PDeAを用いると,スペクトル(吸光度)の差異により目的の不純物ピークを抽出することができます。
本レポートでは, i -PDeAを用いた不純物の検出や二成分の共溶出における解析例,活用の方法などについてご紹介します。
関連ワード:ピークデコンボリューション,微分スペクトルクロマトグラム法,i-PDeA
オートサンプラ
オートサンプラ SIL-40シリーズの自動前処理機能(共注入)を活用したピーク形状の改善(C190-0494)
化合物の溶解性に応じて選択した試料溶媒が移動相より溶出力が大きい場合,クロマトグラムが悪影響を受けることがあります。例えば極性の小さな化合物を溶解させるために試料溶媒中の有機溶媒比率を大きくすると,逆相クロマトグラフィーでは溶出時間の早い成分のピーク形状が悪化し,定量結果の信頼性も損なわれます。ここではNexera™シリーズのオートサンプラ(SIL-40シリーズ)に標準搭載の自動前処理機能の一つである共注入機能を用い,試料と溶出力の弱い溶媒を同時に注入することにより,試料溶媒の影響を低減してピーク形状を改善した事例をご紹介します。共注入機能の設定は,ワークステーションLabSolutions™を用い,簡単に行うことができます。
関連ワード:
SIL-40LabSolutions
オートサンプラ SIL-40シリーズのデュアルインジェクション機能による多角的データの一元管理と分析業務の効率化(C190-0493)
デュアルインジェクション機能はNexeraシリーズのユニークなオプション機能です。分析現場においては1つのサンプルに対し,複数成分の一斉分離ができない,あるいは全く異なる2種の化合物群の定量が必要などの理由で,異なる分析条件で2回分析が必要になるケースがあります。デュアルインジェクションシステムは,独立した2流路を1つのプラットフォームに搭載し,2種類の異なる条件のクロマトグラムを同時に採取して,得られた結果を1つのデータファイルに集約します。例えば微生物の代謝物である有機酸やアミノ酸を同時に測定する発酵モニタリングや,単一の条件では一斉分離が困難な不純物などの多成分一斉分析について,分析効率を大きく改善するだけでなく,2種類のクロマトグラムを1つのデータファイルに集約して,サンプルに対するトレーサビリティを確保します。また,データファイルだけでなく,メソッドファイル,バッチファイルもそれぞれ1つに集約されるため,データ管理を容易にしデータのインテグリティを確保します。ここでは,デュアルインジェクションシステムの使用法から実際の動作,データの一元管理までの流れと業務の効率化についてご紹介します。
関連ワード:
デュアルインジェクション機能
オートサンプラSIL-40シリーズのオーバーラップインジェクションによる分析スループットの向上(C190-0490)
カラム充てん剤の微粒子化や表面多孔性粒子による分離効率の改善,それらに伴う装置の高耐圧化や低容量化によって,分析の高速化が広く普及しています。しかし,分析全体のスループット向上のためには,クロマトグラムとして目に見える分析時間以外に,サンプル注入に要する時間や,ークが溶出しない時間を有効活用する必要があります。オートサンプラSIL-40シリーズの注入は最短7秒以下で,分析全体のスループット向上には非常に有用です。さらに簡単な設定で,分析中に次の分析のための注入を行うこと(オーバーラップインジェクション)で分析サイクル時間を短縮しスループット向上が可能です。ここでは,通常はスループット向上が難しいサイズ排除モードにおいて,オーバー
ラップインジェクションを適応することによる効率化について紹介します。
関連ワード:
SIL-40シリーズGPC
超高速オートサンプラSIL-40シリーズによる生体試料中医薬品の超高速分析(C190-0491)
近年,臨床検査の現場においてもLC-MS/MSが使用される事例が増加していますが,1サンプルあたりの分析時間を極力短縮して迅速に分析結果を得ることが求められています。また創薬の探索ステージや薬物動態研究では非常に多くの検体を扱うため,生産性向上のために分析サイクル時間の短縮は重要です。本レポートでは,Nexera™シリーズのオートサンプラ(SIL-40シリーズ)の超高速注入がトータル分析サイクル時間を短縮し,ラボの生産性向上を実現する例をご紹介します。
関連ワード:
SIL-40シリーズ
ソフトウェア関連
自動波形処理アルゴリズム「i-PeakFinder」による分析業務の省力化と効率化 ~有機酸分析への適用事例~(C190-0498)
分析の高速化に伴い,1サンプルあたりの分析時間が短くなり生産性が高まっています。一方で,増加したデータの波形処理に長時間を要し,データ解析時間が膨大になることが懸念されています。データ解析において,対象成分と夾雑成分が重なる場合,従来法の自動波形処理では適切に処理されないことがあります。手動波形処理の場合,1)手間がかかる,2)分析者により結果に差が生じてデータ間の整合性に影響するという課題があります。その解決策として,テクニカルレポート「LabSolutions™の新波形処理アルゴリズム(C191-0079)」にてご紹介しているi-PeakFinder™は,ソフトウェアが熟練技術者と同じように操作を行い,ユーザーの知識・経験に関係なく,信頼性の高い結果を手間をかけずに取得することができるAnalytical Intelligence 機能です。本アルゴリズムを有機酸分析に適用し,分析の高速化により増加したデータを,簡素な設定で一括して精度高く解析した事例をご紹介します。
分析機器に対するデータインテグリティ対応の具体的な進め方(C191-0085)
分析データに関する最近のトピックスとして,データの改ざんや差し替えなどによるデータインテグリティ(Data Integrity:データの完全性)の欠落があります。分析ラボにおいては,データインテグリティ対応を進めることが喫緊の課題となっている一方で,データインテグリティの概念がつかみにくいために,どこから手を付ければ良いのか迷いが生じてしまうケースが少なからずあります。そこで,本文書では分析機器に対するデータインテグリティ対応の具体的な進め方についてご紹介します。
マルチデータレポートを用いたCMCにおける試験報告書作成の効率化(C190-0083)
医薬品メーカーにおけるCMC(Chemistry, Manufacturing and Control)では,医薬品の品質を立証するために,原薬プロセス研究,製剤開発研究,およびこれらの品質評価研究を担っています。HPLCは各研究において幅広く利用されており,原薬プロセス研究では反応の追跡や不純物の確認に,製剤開発研究では含量均一性や溶出試験に,品質評価研究では試験法の開発における分析法バリデーションなどに利用されています。
これらの研究では,目的に応じて分析結果から表計算を行い,レポートとしてまとめる必要がありますが,未だ得られた結果をExcel などへ転記してレポートを作成されているケースを多く目にします。本稿では,LabSolutionsのマルチデータレポート機能を活用した以下の医薬品開発研究における3種の事例をご紹介します。
(1)原薬プロセス研究 ‒ キラル化合物のスカウティング結果出力
(2)製剤開発研究 ‒ 溶出試験におけるトレンドプロット出力
(3)品質評価研究 ‒ 分析法バリデーション結果出力
関連ワード:LabSolutions DB/CSマルチデータレポート,分析法バリデーションメソッドスカウティング
分析データに関する最近のトピックスとして,データの改ざんや差し替えなどによるデータインテグリティ(Data Integrity: データの完全性)の欠落があります。分析機器に対する規制当局の関心は,LCやGCのようなクロマトグラフ装置だけではなく,UVやIRなどの光分析機器(スペクトロ機器)にも向けられていることから,分析ラボにおいては光分析機器を含めたデータの完全性をいかに確保するのかが喫緊の課題となっています。本稿では,こうしたスペクトロ機器のデータインテグリティ対応に向けた革新的な手法をご紹介します。
LabSolutionsの新波形処理アルゴリズム(C191-0079)
近年,分析の高速化や多成分一斉分析の浸透に伴い,取り扱うデータ量も増加傾向にあり,データ解析にかける時間が課題になりつつあります。また,データインテグリティ規制が強化される中,適切な波形処理が困難なピークに対する自動化や手動波形処理の簡素化が求められています。本稿では,これらの課題を解決するLabSolutionsの新波形処理アルゴリズム(i-PeakFinder)をご紹介します。
(概略をWebにてご紹介
関連ワード:LabSolutions波形処理
LabSolutionsレポートセットを活用したData Integrity (データの完全性)への対応(C191-0076)
分析データに関する最近のトピックスとして,データの改ざんや差し替えなどによるデータインテグリティ(Data Integrity:データの完全性)の欠落があります。その原因は,意図的であれ偶発的であれ,多くの場合は誤まった操作によって引き起こされているこ とから,分析ラボにおいては,データの完全性をいかに確保するのかが喫緊の課題となっています。
LabSolutions DB/CS ver. 6.50 は,従来から実装されている高度なセキュリティ機能に加え,新搭載のレポートセット機能により,ソフトウェア操作の「見える化」を実現。分析ラボで求められる分析データの信頼性を確保するとともに,各種結果の確認業務に要する時間を1/2~1/3に短縮することができます。
関連ワード:
データインテグリティ(Data Integrity,データの完全性),レポートセット
ユーザビリティを改善したLabSolutionsの手動波形処理機能(C191-0072)
パラメータ設定による自動積分では思い通りに波形処理できないクロマトグラムに対しては,手動波形処理機能が不可欠です。
手動波形処理はデータごとに行う必要があるため,ユーザーインターフェイスの使い勝手の良否は,信頼性の確保や生産性に大きく 影響します。
本稿では,手動波形処理を「簡単に・ミスなく・素早く」行うLabSolutions の手動波形処理機能をご紹介します。
関連ワード:
データ処理,手動波形処理ユーザビリティ
トピックス
味わいに影響を与える成分の探索および違いの見える化(C190-0554)
食品の官能評価は味覚嗅覚触覚視覚聴覚という五感を使って行います。近年評価者の感覚に依存した官能評価に追加して機器分析により味わいに影響を与える成分の探索や違いを見える化したいというニーズが高まっています。しかしながら味わいに関与する成分の探索は容易ではなくそのワークフローは十分に確立されていません。五味以外の曖昧な味わいの指標については尚更困難です。本レポートでは食品開発において味わいの特徴や差異を科学的に示すワークフローの確立を目的に日本酒について曖昧な味わい「ふくらみ」に関与する成分の探索と違いの見える化を試行しました。部分的最小二乗判別分析(PLS-DA) により特定の糖有機酸類や香気成分が「ふくらみ」有無で差異のある成分として抽出されました。
新しい分析業務自動化を支援するAnalytical Intelligenceの概念(C190-0499)
業務の効率化やヒューマンエラー防止の目的で,分析業務の自動化は一層進んでいます。しかしながら,装置やソフトウェアの機能・性能・操作性に加え,使用者の分析化学に関する知見やノウハウの多少が,結果の信頼性や装置コンディションに影響を与えることがあります。AnalyticalIntelligenceは,島津製作所が提案する分析機器の新しい概念です。システムやソフトウェアが,熟練技術者と同じように操作を行い,状態・結果の良し悪しを自動で判断し,ユーザーへのフィードバックやトラブルの解決を行います。また,分析機器に対する知識や経験の差を補完し,データの信頼性を高めます。本テクニカルレポートでは,新Nexeraシリーズに搭載されたAnalytical Intelligenceに属する新機能をご紹介します。
関連ワード:
Nexeraシリーズ自動スタートアップFlowPilot移動相モニター自己診断・自己復帰i-PeakFinder,i-PDeA II
FlowPilot機能による自動スタートアップが推進するワークフローの完全自動化(C190-0486)
熟練の分析技術者は信頼性の高いデータを取得するために分析システムを常に高いパフォーマンスで稼働しこれを維持するための知識と技術を有しています。分析の自動化と省力化が進む一方でこの点は未だにユーザーの技量に任されてきました。本レポートでは熟練分析技術者の技術を模して開発したFlowPilot機能による自動スタートアップからシステム適合性テスト(System Suitability Test:SST)分析シャットダウンまでの一連の分析ワークフローを完全自動化した事例についてご紹介します。
関連ワード: Nexeraシリーズ
移動相消費量のリアルタイム測定機能が推進する分析業務効率の最大化(C190-0484)
高速液体クロマトグラフの分析において,移動相量や種別の管理は重要です。分析中の移動相の枯渇は分析の失敗だけでなく,時には高価な分析カラムの破損を引き起こすこともあります。これを防ぐためには,分析開始前にあらかじめ必要な移動相量を見積り,十分な量を設置せねばなりませんが,特にグラジエント送液ではこの見積計算は面倒な作業です。また,計算ミスなどで分析中に移動相が枯渇してしまう可能性はゼロではありません。しかしながら,連続分析中に移動相残量の確認のため,何度もラボを訪れるのは作業効率の面で適切ではありません。本レポートでは,移動相モニター MPM-40による移動相残量のリアルタイム測定や,スマートデバイスによる移動相残量の確認,さらに,LabSolutionsソフトウェアと連動した自動動作による分析業務の効率化についてご紹介します。
関連ワード:
移動相モニタ
新Nexeraシリーズ送液ポンプの自己診断・自己復帰機能によるラボの生産性(C190-0483)
昨今の分析ラボでは,生産性向上や分析業務の効率化を目的として,分析時間の短縮や定期的なメンテナンスによるシステム稼働率の向上が図られています。しかし,予測不能なトラブルによる分析業務の中断は,今なお解決すべき課題です。液体クロマトグラフ流路内でごく稀に発生する気泡は,圧力変動による保持時間の再現性不良やベースラインのうねり,ピーク形状の崩れなどさまざまな問題を引き起こす厄介なトラブルとして知られています。本レポートでは,新Nexera™シリーズの送液ポンプに搭載した自己診断と自己復帰機能により,流路内で発生した気泡を自動で検知し,システムを正常な状態に復帰させるまでの流れについて解説します。気泡トラブルによる分析のやり直しを含めたシステムのダウンタイムを最小化し,ラボの生産性効率向上に貢献します。
関連ワード:
Nexera 送液ポンプ
セミ分取SFC
超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)は,高い拡散係数をもつ超臨界CO2 中で化合物とカラムが複雑な相互作用を示すことから,比較的疎水度の高い成分に対して特有の分離パターンを得ることができます。また,超臨界CO2 は,分取時に速やかに気化し分画容量を大きく低減できるという特長も有しています。このため,SFCでは精密分離と効率的な分取を同時に行うことが可能です。本レポートでは,SFCを多数の構造異性体が存在する脂質分析に応用した例を紹介します。モデル化合物として,ジグリセリドの1,2 および1,3 異性体を選択し,分析条件の設定とさらに同条件で精密分取を行う際の条件設定の注意点をまとめました。リピドミクス研究などでの活用が期待されます。
分取超臨界流体クロマトグラフィー用気液分離機構 Lotus Stream の性能評価(C190-0504)
超臨界流体を用いる分取SFC(Supercritical Fluid Chromatography)は最も良く用いられる分取精製技術の一つですが分取LCとは異なり回収時にCO2と液体を適切に分離しないと液体が飛散して回収率の低下を招くという課題がありました。本レポートでは分取超臨界流体クロマトグラフシステムNexera UC Prep用に新規開発された気液セパレーター“LotusStream™セパレーター” を用いて回収率・キャリーオーバー・コンタミネーションの確認を行った事例を紹介します。
関連ワード: 分取SFC気液セパレーター
超臨界流体クロマトグラフィーにおける分離条件の最適化と分取サイズへのスケールアップ(C190-0500)
高純度に分取するには対象ピーク同士を十分に分離する必要があり網羅的に条件を検討して,分離条件の最適化(メソッドスカウティング)を行うことが重要です。特に超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)では固定相の種類によって分離の挙動が大きく変化するので様々なカラムを使って条件検討を行うことが有用です。一般的には分析スケールにてメソッドスカウティングを行って最適条件を確認しその条件を元にカラム断面積に比例して流量と注入量を増やすことによりスケールアップして分取を行います。本レポートではNexera™ UC(分析スケール)にて条件検討を行い得られたメソッドをNexera UC Prep(分取スケール)へスケールアップした例を紹介します。
関連ワード: 分取SFCメソッドスカウティング
超臨界流体クロマトグラフィーを用いた蛍光物質の異性体分離 ~分離に影響を与えるパラメータ~ (C190-0473)
ヒト患者体内の微小がん部位を短時間で検出するために,がん部位選択的なバイオマーカー酵素と反応することで初めて蛍光を発する分子である蛍光プローブの研究・開発が行われています。蛍光プローブの母核として汎用されているローダミンやフルオレセインは,典型的な方法で置換基が導入された分子を合成すると,ベンゼン環部位の置換位置が異なる異性体が生成されます。蛍光プローブの母核として使用するためには,これらの異性体を分離することが重要です。超臨界流体クロマトグラフ Nexera UCを用いて,蛍光物質のカルボキシテトラメチルローダミンの異性体分離の最適化を行いました。異性体の分離に影響を及ぼす要因についてご紹介します。
関連ワード:超臨界流体クロマトグラフィーメソッドスカウティング
Nexera UC/s UHPLC/SFC切換システムによる分離向上とメソッド開発の効率化(C190-0454)
製薬,食品および環境などさまざまな分野では,キラル化合物や構造異性体の分離など多様な分離手法が求められています。超臨界流体二酸化炭素と有機溶媒を用いたSFC は UHPLCと異なる分離選択性を示すことから,新たな分離手法として近年期待されています。
UHPLCとSFCを統合させた Nexera UC/s UHPLC/SFC 切換システムは,1システムで UHPLC 分析とSFC 分析を両立することができます。 SFCはUHPLCと分離特性が異なるため,異性体間の分離の改善を期待できます。メソッド開発時にUHPLCとSFCの2種類の分離手法を用いてスクリーニングすることで,短時間でより良い分析条件を構築することが可能になります。
関連ワード:
超臨界流体クロマトグラフィーUHPLC/SFC 切換
オンライン超臨界流体抽出-超臨界流体クロマトグラフィー(online SFE-SFC)(C190-0443)
超臨界流体を抽出媒体として用いた超臨界流体抽出(SFE),移動相として用いた超臨界流体クロマトグラフィー(SFC),これらを直接接続するオンラインSFE-SFCシステムについてご紹介します。オンラインSFE-SFCを用いることで前処理から分析までを自動化することができ,前処理の簡便化や不安定化合物の分析,高感度分析など様々なメリットが生まれます。ここではオンラインSFE-SFCの基本原理から“Nexera UC オンラインSFE-SFCシステム” の特長,抽出分析例についてもあわせてご紹介します。
関連ワード:
超臨界流体クロマトグラフィー
近年,カラムテクノロジーの進歩により,液体と比較して低粘性・高拡散性などの特性を持つ超臨界流体を移動相として用いる超臨界流体クロマトグラフィーが改めて注目されています。ここでは超臨界流体クロマトグラフィーの基本原理からNexera UC システムを用いた高速高分離分析例や光学異性体の分離分析についてご紹介いたします。
関連ワード:
超臨界流体クロマトグラフィー
HPLC,SFCやGC などの分離分析において,固体などの試料から目的成分を効率的に抽出する前処理操作が求められています。一般的に固体試料の抽出は溶解法や固液抽出法などが用いられます。溶解法は試料が何らかの溶媒に溶ける場合にしか適応できず,分析条件などによっても最適化が難しいことが知られています。ソックスレー法に代表される固-液抽出法は,抽出に時間を要し,抽出器などの洗浄・準備など抽出操作以外でも手間がかかるため多検体処理に適していません。一方,超臨界流体による抽出法は,超臨界流体の高い溶解性や浸透性などの特長により,固体から目的成分を高い効率で抽出することが可能で,かつ抽出操作を自動化することができます。ここでは“Nexera UC SFE 前処理システム”を用いた分析前処理の効率化についてご紹介します。
関連ワード:
超臨界流体抽出
有機酸分析
Shim-pack Fast-OAとpH緩衝化電気伝導度検出法による有機酸分析の高速化 (C190-0489)
有機酸は食品中だけでなく医薬品のカウンターイオンや化成品の原料としても様々な分野で分析されています。ポストカラムpH 緩衝化電気伝導度検出法は有機酸を選択的かつ高感度に分析でき夾雑成分を多く含む試料の分析に活用されています。一方で発酵状態のモニタリングや腸内細菌叢の研究においては分析時間の短縮が課題となっていました。また,バイオマス原料による新エネルギー製造などの研究でも,微生物の活動を柔軟に制御するために代謝産物である有機酸を迅速に定量する必要があります。本レポートでは,高速有機酸分析カラムShim-pack Fast-OAとポストカラムpH 緩衝化電気伝導度検出法とを組み合わせた,選択性の高い有機酸の高速分析の技術について解説します。
関連ワード:
有機酸分析Shim-pack Fast-OA
イオンクロマトグラフ
高性能サプレッサICDS-40Aを搭載した陰イオンクロマトグラフHIC-ESP (C190-0503)
イオンクロマトグラフィーでは、検出時のバックグラウンドレベルとノイズ低下の目的でサプレッサ法が広く使用されています。新開発の陰イオン分析用電気透析式サプレッサICDS-40Aは、①折り返し構造を有する膜透析形の採用で内部容量を低減しピーク拡散を抑制、②連続再生方式で分析サイクル時間を低減、③再生液不要の電気透析式再生でシンプルなシステム構成を実現しています。
またICDS-40Aを搭載した陰イオンクロマトグラフHIC-ESPは、スリムオーブンの採用で設置幅を40%低減し、ラボスペースの有効活用に貢献します。本テクニカルレポートでは、ICDS-40Aの原理と特長、およびHIC-ESPについて紹介します。
糖分析
糖類の分析においては,多くの場合には高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が広く用いられていますが,糖類は紫外吸光度検出においては選択性の高い波長 で検出できない,逆相クロマトグラフィーで保持しないという2 つの理由により他の有機化合物の分析とは異なり,分析するためには工夫が必要となります。また糖類はその形態や種類が膨大なものであるため,その対象成分 や分析目的に応じた分離法および検出法を適切に選択する必要があります。
ここでは,HPLC を用いた糖類の分離および検出の原理とそれらを用いた分析例をご紹介します。
関連ワード:
還元糖分析
関連情報: HPLC分析基礎「糖類の分離法」
メソッドスカウティング
Analytical Quality by Designアプローチに基づく頑健な分析法開発の効率化 (C190-0551)
本稿では,分析法開発支援ソフトウェアであるLabSolutions MDを用いたAnalytical Quality by Design(以下:AQbD)に基づく頑健な分析法開発の効率化について,低分子医薬品化合物の一斉分析条件の検討を通して紹介します。AQbD に基づいた分析法開発は,分析法の初期スクリーニング(Screening),最適化(Optimization),頑健性評価(Validation)というフェーズから成り立っています。これら各フェーズに対して,実験計画法を用いた分析の実施,分析結果に対するデザインスペースの構築,最適な分析条件決定後の頑健性評価を適用することで,一連の分析法開発のワークフローをLabSolutions MDで完結できます。
超高速メソッドスカウティング(2)-メソッド探索プロセスの自動化による開発効率の向上- (C190-0462)
分析条件の探索(メソッドスカウティング)には多大な時間を要するため,できるだけ手間なく時間短縮することが求められています。本レポートでは,メソッドスカウティングシステム Nexera Method Scoutingと,メソッドスカウティング専用ソフトウェア Method Scouting Solution Ver. 2 を用いた9種のサルファ剤に対する一斉分析条件の探索を実施した例をご紹介します。また,専用ソフトウェア Method Scouting Solution Ver. 2は,LabSolutions DB/CS のマルチデータレポート機能を用いることで,膨大な分析結果から最適な分析条件を迅速に見つけることが可能になりました。本稿では,マルチデータレポート機能についてもご紹介します。
関連ワード:
メソッドスカウティングLabSolutionsマルチデータレポート
製 薬分野における創薬合成部門ではキラルカラムを用いた効率的且つ迅速な光学分割法が研究されています。しかし,多種多様なキラルカラムから分析種に適した カラムと最適な移動相条件を見出すには多大な労力と時間を要することから,キラル分離条件スカウティングの迅速化が求められています。
本レポートでは,メソッドスカウティングシステム“Nexera Method Scouting”と多糖誘導体耐溶剤型キラルカラム“iCHIRAL-6”(ダイセル製)を組み合わせ,キラル化合物の高分離条件の構築へ適用した事例についてご紹介します。
関連ワード:
メソッドスカウティング
超高速メソッドスカウティング (C190-0381)
分 析条件の検討には多くの困難さを伴いますが,この作業を,誰にでも「簡単に,ミスなく,素早く」実施できるようになれば,業務のスピードアップが可能にな ります。本レポートでは,そうした困難さを生み出す律速要因を「見える化」した上で,UHPLC(超高速LC)による解決方法について,Nexera Method Scouting Systemを例に紹介します。
関連ワード:メソッドスカウティング
オートサンプラー
リキッドハンドラーによる分取ワークフローの効率化 (C190-0545)
分取LCとは混合物から目的化合物のみを抽出する分離手法でありHPLC の高分離性能を活かして目的化合物を高純度に回収することが可能です。分取精製LCシステム Nexera™ Prep は事前検討を含めた分取ワークフロー全体をサポートし効率化します。リキッドハンドラー LH-40 および制御用ソフトウェア LabSolutions™による分取前の条件検討スケールアップ分取パラメーターの最適化および純度確認の効率化の紹介と多検体の連続分取を実現するシステム拡張について説明します。
関連ワード:分取 Nexera Prep LH-40

3.  i-Series

Nexera-i
グラジエント遅れの補正によるメソッド移管の効率化 (C190-0450)
目的成分やその不純物の定性,定量には高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が広く用いられています。複数のHPLC 装置を導入している企業では,既存のメソッドを移管し,他機種で分析するという場面が多くみられます。しかしながら,メソッド移管を実施する場合,装置間のシステム容量やポンプの性能,送液方式の違いなどにより,意図した結果が得られないことがあります。
ここでは,まずシステム容量の差から生じるグラジエント遅れと分離への影響について説明します。次に,アルキルフェノンやUV吸収剤を試料として,グラジエント遅れの補正によるメソッド移管の例をご紹介します。また,最適なメソッド移管をサポートする当社の一体型LCシステム i-Seriesと,最新の LabSolutions LCに搭載された ACTO(Analytical Condition Transfer and Optimization)機能についてご紹介します。
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HPLC⇔UHPLC間のメソッド移行による分析効率の向上 (C190-0449)
目的成分やその不純物の定性,定量には高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が広く用いられています。また,近年では超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)が発達してきたことで,UHPLC で開発したメソッドをHPLC に移行したり,既存のHPLC のメソッドを UHPLC に移行するケースが増加しています。メソッド移行においては,既存の流量やタイムプログラムなどの設定を変更する必要があります。
ここでは,まずメソッド移行時に問題となるカラムパラメータと分析条件の関係について説明します。次に,医薬品を試料として,HPLC メソッドの高速化やUHPLC メソッドの汎用化と他社装置への移管についてご紹介します。また,既存の分析の高速化や汎用化をサポートする当社の一体型LC システム Nexera-i MT と,最新のLabSolutions LC に搭載されたACTO(Analytical Condition Transfer and Optimization)機能についてご紹介します。
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Nexera-i MT