めっき液のTOC分析システム
TOC-Lによるめっき液のTOC測定
めっき液中の有機物(例えばソルダレジストからの溶出物)は,品質に大きく影響するため濃度管理が重要ですが,ランニングコストとも関連し,簡便なモニター手段が望まれています。有機物総量を簡便に測定できる全有機体炭素計(TOC計) はこの目的に最適です。
めっき液の塩濃度は数%以上なので,燃焼酸化式TOC計で直接測定すると塩による影響を受けるため,希釈測定が必要です。水道水や排水管理に広く普及している島津TOC-Lシリーズは,最大50倍までの自動希釈機能を装備していますので,塩濃度の高いめっき液でも,装置内で自動希釈して精度よく確実に測定することができます。
ニッケルめっき液の測定例
使用前の新品と,異なる工程で使用した後のニッケルめっき液を測定しました。使用後のめっき液はTOC値が増加しており,ソルダレジストからの溶出物などの影響を確認できました。
試料名 | 50倍希釈液のTOC値[mgC/L] | 希釈倍率による補正後のTOC値[mgC/L] |
使用前のニッケルめっき液(新品) | 0.476 | 23.8 |
使用済みニッケルめっき液(工程A) | 0.675 | 33.8 |
使用済みニッケルめっき液(工程B) | 1.315 | 65.8 |
このように,TOC-Lを用いると簡便に有機物の定量ができ,めっき条件や工程の違いによるめっき液の品質管理が行えます。
* 連続モニター管理をご希望の場合には,オンラインタイプのTOC-4200もご用意しています。(最短測定周期4分)