電磁式とロードセル式

物の重さを測るのには、いろいろな原理が用いられます。今回はそのうち最もポピュラーな「電磁式」と、「ロードセル式」の原理と特徴について簡単に説明します。

●電磁式

電磁力平衡式ともいいます。機械式天びんではサオの片側に試料、もう片側におもり(分銅)をのせ、ちょうど釣り合った(平衡)ときの分銅の値が試料の質量となります。電磁式は分銅をのせる代わりに、電気の力(電磁力)を加えて、サオを釣り合わせるのです。のせた試料の重さにより、釣り合わせるのに必要な電気の量が変わります。ちょうど釣り合ったときの電流の大きさを検出しその値から、質量を求めます。

電磁式

●ロードセル式(電気抵抗線式)

アルミでできた図のような形の物(起歪体)の片側を固定しておき、もう片側に試料をのせます。すると試料の重みにより、起歪体がたわみます。たわんだ量により、起歪体に貼り付けたストレンゲージが伸び縮みし、出力される電気の量(正確には抵抗値)が変わります。そしてその電気の量から質量を求めます。

ロードセル式(電気抵抗線式)

●電磁式/ロードセル式比較表

  電磁式 ロードセル式
長所 ・精度が高い ・構造が簡単
・大型のものでも造りやすい
短所 ・構造が複雑
・小型化が難しい
・精度に限界がある
用途 ・分析用天びんなどの、超精密天びん ・精度の高さをそれほど要求しない安価で小形のはかり
・大形のはかり
シリーズ名 ・ミクロ天びんやAW/AX/AYシリーズ等の分析天びん
・BX/BW、BLシリーズ等の上ざら精密天びん
・ELシリーズ、LDSシリーズ身長体重計AHW など