UV-3600i Plus

 

分野別アプリケーション情報

 

電気・電子・光学

レンズの透過率測定

携帯電話、デジタルカメラ、防犯カメラなど撮影を行う機器には必ずレンズがついています。レンズの性能を決める要因のひとつは、レンズの透過率です。しかしレンズそのものが集光するため測定は容易ではありません。下図は、レンズを測定した結果です。
レンズを測定する場合、ベーライン補正時と試料測定時で光の様子が異なるため積分球が必要となります。また積分球は、集光後の光が後方の標準白板以外の積分球内面にも照射されます。BIS-603に付属している透過型積分球を用いることで測定誤差を小さくすることができます。またマルチパーパス大型試料室MPC-603AとオプションのVステージを用いるとさまざまな大きさ、長さのレンズの透過測定が可能です。
MPC-603AとBIS-603の組み合わせはレンズの測定に最適な装置です。

微小試料の透過率測定

センサなどのいろいろな製品が小型化されている現在、微小な試料の測定が必要とされるようになりました。
図は、微小センサ窓の透過率スペクトル測定を行った結果です。
微小試料測定を行う場合、光束サイズを試料の大きさに合わせて調整することが必要となります。
UV-3600i Plusとオプションのマルチパーパス大型試料室MPC-603A、微小光束絞りユニット(P/N 206-22051-41)、
微小試料ホルダ(P/N 206-28055-41)を用いると測定光束を2 mmøまで絞れ、微小部分の測定にも、適した光学系を構築できます。
UV-3600i PlusのオプションMPC-603Aを用いることにより、大きな試料から小さな試料まで様々な試料の測定が可能となります。

 

 

太陽電池用型ガラスの透過率測定

太陽電池用型ガラスは、表面に凹凸の突起のあるガラスです。このような試料を小さな積分球で透過率を測定すると、検出器の切り替え波長で大きな段差が発生することがあり、正しい透過率を求めることができません。150 mmøの大型積分球ISR-1503で太陽電池用型ガラスを測定しました。光に対して試料面が垂直の状態で、時計のように回して測定したところ、回転角0°、45°、90°でほぼ一致し、段差も非常に小さいスペクトルが得られました。
太陽電池用型ガラス以外にも、散乱を起こす特殊な繊維の測定にも有用です。

ミラーの絶対反射率測定

ミラーは、望遠鏡、レーザーの部材などに用いられており、その反射率は性能を決定する要因ともなるため非常に重要です。
反射率には、全光線反射率、拡散反射率、正反射率などの種類がありますが、ミラーで重要とされるのは正反射率です。
この正反射率の絶対値を求めるのが絶対反射率測定です。下図は、ミラーを測定した結果です。
絶対反射率は、マルチパーパス大型試料室MPC-603Aに絶対反射率測定装置を設置して測定します。

誘導体多層膜の評価

誘電体多層膜はレンズやミラー、フィルターなどの様々な光学素子にコーティングされ、カメラや双眼鏡などに利用されています。
下図は誘電体多層膜のバンドパスフィルターを、光の入射角度を変化させて測定した結果です。UV-3600i Plusとオプションのマルチパーパス大型試料室MPC-603A、可変角測定装置を用いることで、様々な光の入射角度を変化させた透過率測定や絶対反射率測定ができます。多層膜であるため、光の入射角度を変えると透過する波長や反射する波長が変わることがわかります。
また島津独自のアパーチャー設計によりSNの良い集光光からより測定精度の高い平行光に簡単に変更でき、お客様の要望に見合う測定が可能です。

バンドギャップ計算

太陽電池材料、光触媒材料の物性研究においては基本的な物性量であるバンドギャップ※(禁制帯幅)の測定がよく行われます。
積分球ISR-603を用いて、太陽電池用材料として使用される3種類の化合物半導体(赤線:CuGaSe2、青線:CuIn0.5Ga0.5Se2、黒線:CuInSe2)の拡散反射スペクトルを測定しました。試料によって吸収端(反射率の低下している波長)が異なることがわかります。この違いが試料におけるバンドギャップの違いを表しています。本試料は龍谷大学理工学部 和田研究室よりご提供いただきました。
Tauc法を用いて本試料のバンドギャップを計算した結果、CuGaSe2(赤線)、Culn0.5Ga0.5Se2(青線)、CuInSe2(黒線)のバンドギャップはそれぞれ1.63 eV、1.27 eV、0.99 eVと求まりました。
※バンドギャップとは電子の充満した価電子帯の最上部と電子の存在しない伝導帯の最下部との間のエネルギー差を指します。
UV-3600i Plusの広い測定波長範囲はバンドギャップ計算に有効です。

 

窓ガラスの透過率測定(日射透過率)

近年、社会問題となっている地球温暖化やヒートアイランド現象の対応策の一つとして、建築用窓ガラスに近赤外光の透過を抑え、遮熱効果を持たせた種々の機能性ガラスが使用されています。可視光から近赤外光まで含めた日射光の透過特性を表す指標としてJISには日射透過率が規定されています。下図は透明ガラスとサンカットが施されたガラスのスペクトルデータと日射透過率/反射率計算結果です。ガラスの種類により日射透過率が異なることがわかります。
このような日射透過率の測定では、積分球を使った250~2100 nmの測定が必要で、UV-3600i PlusとISR-603の組み合わせは日射透過率測定に最適です。

 

衝突防止センサーLiDAR評価システム

自動運転に欠かせない技術の一つであるLiDARは、レーザー光を走査しながら対象物に照射し、その反射光を観測することで対象物までの距離と位置を計測します。
下図は衝突防止センサーを保護するカバーを、光の入射角度を変化させて測定した結果です。入射角度が変化させると透過率が変化することから、このカバー材を用いる場合センサーに利用するレーザー波長として、透過率が減少しない960 nm付近が好ましいということがわかります。

 

樹脂のヘーズ(曇価)測定

樹脂製品が多く存在する今日、レンズ材料など樹脂の透明性が必要とされることが多くなりました。樹脂の透明性の評価基準のひとつにヘーズ値があります。
ヘーズ値は、全光線透過率と拡散透過率の比率で表し、値が小さくなればなるほど透明な製品であることになります。
150 mmø積分球付属装置ISR-1503を使用すると、試料を水平に置いて透過測定を行うことが可能となります。
下図は曇りのある樹脂の全光線透過率と拡散透過率を測定した結果です。
ヘーズ値を計算すると32.9となりました。ヘーズの測定においては最適なオプションが150 mmø積分球付属装置ISR-1503です。

日射計算ソフトウェア
測定したスペクトルから日射透過率/反射率を計算するソフトウェアです。
・ 可視光線透過率/反射率、全光透過率/反射率、近赤外反射率、紫外線透過率、 CIEダメージファクター、スキンダメージファクターの主な計算項目を備えています。
・ JISやISO、GB/Tの関連する項目を計算できます。
その他
・ マルチパーパス大型試料室 MPC-603A ・ MPC-603A用可変角測定装置
・ バンドギャップエクセルマクロ ・ カラー計算ソフトウェア

 

 

フィルムの膜厚測定

透明なフィルム/膜に光を通すと波打った干渉波形が生じる場合があります。
干渉波形を利用することで、試料の膜厚を求めることができます。
黒線はポリ塩化ビニリデンフィルム、赤線はポリカーボネートフィルム、青線はポリプロピレンフィルムの透過率データです。
干渉波形からオプションの膜厚計算ソフトウェアを用いて計算すると、それぞれ9.9 μm、49.3 μm、59.5 μmと算出されました。
注)計算には試料の屈折率を入力する必要があります。

膜厚計算ソフトウェア
測定したスペクトルから干渉間隔法を用いて、膜厚を計算する
ソフトウェアです(膜厚の計算には試料の屈折率の入力が
必要です)。
・ 干渉間隔法では、干渉波形のピーク(バレイ)の間隔から膜
厚を計算します。ピーク(バレイ)の検出パラメータや膜厚計
算の際の入射角度や波長範囲を設定できます。

 

感冒薬中の無水カフェインの測定

感冒薬には無水カフェインが含まれています。下図は、粉末試料ホルダを用いて測定した無水カフェイン粉末の測定結果です。
粉末試料ホルダーを用いると、0.16 mLの小容量で簡単に測定できます。
粉末の拡散反射率の測定にはUV-3600i PlusとISR-603、粉末試料ホルダの組み合わせが最適です。

  
 

食品中の脂肪量の定量

現在牛乳に含まれる脂質の量を調整した商品が多く販売されています。牛乳に含まれる脂質の量は、通常ゲルベル法やレーゼ・ゴットリーブ法で測定されていますが、これらの手法を用いた場合、測定に大変時間がかかります。そこで、分光反射法と多変量解析を組合わせる方法で、測定を行いました。
下図は牛乳をスクリュー管にサンプリングして、UV-3600i PlusとISR-603を組み合わせて測定した分光反射スペクトルです。このスペクトルと脂質量から検量線を作成し、脂肪量を定量しました。

  
 

各種布の拡散反射測定

積分球付属装置ISR-603を用いて、可視域の範囲で繊維類の拡散反射スペクトルを測定しました。
青線が青色の布、赤線が赤色の布です。
青色の布は主に短波長側の光を反射するため青色に見え、赤色の布は主に長波長側の光を反射するために赤色に見えます。
表色系で色を示すには、オプションのカラー測定ソフトウェアを用いると簡単に算出することができます。

カラー計算ソフトウェア
測定したスペクトルから測定物の色彩の値を計算するソフトウェアです。XYZ表色系の色度座標xyのグラフやCIELABの明度指数/色座標などのグラフを表示することができます。
・ XYZ表色系、CIELAB、CIELUV、マンセル表色系、メンタリズム、黄色度、白色度、色差の主要な計算項目を備えています。
・ JISやASTMの色に関する項目を計算できます。
・ 各種計算では測定用イルミナントや観測視野角などを設定できます。
UPF計算ソフトウェア
測定したスペクトルからUPF(紫外線遮蔽率)を計算するソフトウェアです。
・ UPF、UVA、UVB、 紫外線遮蔽率、紫外線遮蔽率(UVA、UVB)の計算ができます。
・ JISやDIN、BS、AATCC、AS/NZAA、GB/Tの関連する項目を計算できます。
注)対応する規格の詳細はお問い合わせください。

 

高分解・超低迷光・ワイドな測定波長範囲 測定例

UV-3600i Plusは、グレーティング-グレーティングの高機能ダブルモノクロメータを搭載し、高分解で低迷光を実現しました。また、測定波長範囲は185~3300 nmです。
ガスのような高分解を必要とする試料から高濃度液体試料の測定まで幅広い分光測定に対応します。

ベンゼンガスの高分解スペクトル
左図は光路長10 mmのセルにベンゼンガスを封入して測定したスペクトルです。スペクトルバンド幅は0.1 nmです。
右図は250 nm付近の拡大図で、トリプレットが明瞭に観測されています。高分解のスペクトルが低ノイズで測定できます。

 

0.00005%以下(340 nm)の超低迷光
左図はNaNO2水溶液の透過スペクトルで、右図は340 nm付近の拡大図です。右図で、赤色のスペクトルはNaNO2水溶液、青色のスペクトルはシャッターブロックを試料光束側に入れた際の0%ラインです。UV-3600i Plusは340 nmで0.00005%以下の超低迷光を達成しています。(対照光束側には試料光束側とのバランスをとるため、メッシュフィルターを使用しています。)

 

吸光度6までの直線性
左図は6段階の濃度のKMnO4水溶液を測定したスペクトルです。対照光束側にメッシュフィルターを入れ、示差法によって吸光度6のレンジで測定しています。マイナス吸光度を使うことで高い吸光度でも低ノイズで測定できます。右図はKMnO4水溶液の検量線で、吸光度6まで直線性があることを示しています。

 

紫外から近赤外領域までの広波長範囲をカバー
測定波長範囲は185~3300 nmで、紫外、可視、近赤外の広い範囲に渡って測定が可能です。しかも低ノイズのスペクトルが得られます。

右図は光路長2 mmのセルを使用して測定したトルエンの185~3300 nmまでのスペクトルです。1台の分光光度計で紫外、可視、近赤外領域のスペクトルが得られます。

右図は石英ウエハ上の低透過率の膜の200~1600 nm範囲のスペクトルです。光をほとんど透過しない特殊な膜ですが、低ノイズで精度よく測定できています。(対照光束側には試料光束側とのバランスをとるため、メッシュフィルターを使用しています。)

1-ブタノールなどのアルコール分子は、水素結合していない単離体とOH基同士の比較的弱い水素結合により会合体を形成しているものとが混在していると考えられています。温度が上昇すると水素結合が弱まるので会合体が解離し単離体となります。右図は1-ブタノールの20℃、40℃、60℃における近赤外スペクトルです。温度上昇により増加している1400 nm付近のピークは水素結合していない単離体のOH基のピークであり、逆に減少している1600 nm付近のピークは水素結合した会合体のOH基のピークです。

UV-3600i Plus本体と同様に、マルチパーパス大形試料室や積分球付属装置も3検出器化しました。右図はUV-3600i PlusにISR-603(InGaAs検出器+冷却PbS検出器)を取り付けて測定したSiウェハの近赤外領域のスペクトルです。固体試料でも、InGaAs検出器ではPbS検出器に比べて、ノイズが少なく、高感度な測定ができます。

 

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