入射角に対する試料の光学特性評価に適したSolidSpec-3700

可変角絶対反射測定装置のご紹介

太陽電池や各種ディスプレイには反射防止膜,保護フィルム,透明導電膜などが使われていますが,太陽電池の場合は発電効率の向上,各種ディスプレイの場合は画像品質の向上のために様々な角度で薄膜やフィルムの光学特性を評価することが必要とされています。そこで,今回はこの様な入射角に対する試料の光学特性評価に適したSolidSpec-3700と付属品の可変角絶対反射測定装置*をご紹介いたします。
*;SolidSpec-3700シリーズ用特殊付属品

■可変角絶対反射測定装置

 可変角絶対反射測定装置では試料に照射された光に対する絶対反射率をさまざまな入射角で測定することが可能です。
 可変角絶対反射測定装置はサンプルホルダとサンプル光検出器の角度を同軸で個別に動かすことの出来るゴニオメータ方式を採用しています。このため,反射測定だけでなく可変角透過測定も容易に行なえます。
 またゴニオメータ方式ではベースライン補正を1度行なえば,その後5°~70°まで自由に入射角を変えて測定することが可能です。入射角を変更するたびのベースライン補正は不要です。偏光測定を行なう場合でもs偏光,p偏光それぞれに対してベースライン補正を1度ずつ,合計2回のみで各入射角での測定が可能です。
 入射角変更の際にサンプルを着脱する必要はありません。サンプルが薄いフィルムの場合などはホルダへの着脱により試料のシワ,張り,測定位置などが変わりやすく,再現性の劣化を招くことがありますが,本装置では同じ試料状態で同じ位置を測定できるため安定した測定結果が得られます。
 さらに SolidSpec-3700の積分球には3つの検出器(光電子増倍管,InGaAs,PbS)を搭載しており近赤外領域の測定においても優れた性能を発揮します。

■可変角絶対反射測定

可変角絶対反射測定装置構造模式図

Fig.1 可変角絶対反射測定装置構造模式図

 可変角絶対反射測定装置の構造の模式図をFig.1に示します。
 可変角絶対反射測定を行うには,まずFig.1のように試料を設置せずベースライン補正を行います。

絶対反射測定時

Fig.2 絶対反射測定時

 次に測定すべき入射角に合わせてサンプルホルダとサンプル光検出器の角度を変更し測定を行ないます。Fig.2は入射角45°での絶対反射測定時の模式図を示しています。

測定可能角度範囲

Fig.3 測定可能角度範囲

可変角絶対反射測定装置ではFig.3に示した5°~70°までの幅広い入射角で絶対反射測定が可能です。また,入射角は1°ごとに変更することができます。

■可変角透過測定

可変角透過測定

Fig.4 可変角透過測定

 検出器をベースライン補正位置に固定し,試料の角度を変えることで可変角透過測定が可能です。Fig.4に可変角透過測定の模式図を示します。
 透過測定の場合,0°~70°まで自由に入射角を変えて可変角透過測定ができます。入射角の設定は反射測定と同様,1°ごとです。

■単結晶 Si 太陽電池用反射防止膜の測定

可変角絶対測定装置を用いて単結晶 Si太陽電池用反射防止膜の可変角絶対反射スペクトル測定を行いました。
 反射率は偏光による影響を受けるため s偏光,p偏光に分けて測定を行いました。s偏光での測定結果をFig.5に,p偏光での測定結果をFig.6に示します。

s偏光での測定結果

Fig.5 s偏光での測定結果

p偏光での測定結果

Fig.6 p偏光での測定結果

自然光に対応させた反射率の演算結果

Fig.7 自然光に対応させた反射率の演算結果

 また自然光に対応する反射率に変換するためにs偏光とp偏光の平均値を演算により求めました。演算結果をFig.7に示します。
 これらの結果より,可視領域の 575 nm 付近において,入射角が5°や15°では反射率が約0.2 %と極めて低く,本試料が垂直に近い入射角でより反射率が低く抑えられていることがわかります。

■まとめ

 可変角絶対反射測定装置はゴニオメータ方式を採用していますので可変角絶対反射測定のみならず可変角透過測定も可能です。このため試料の光学特性の角度依存性を詳細に評価することが可能となります。

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